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★分子栄養学(三石理論):脳システムにおこる変化

認知症とは?
 認知症はひとつの病気をいうのではなく、脳という情報処理システムが担っている認知機能が、成人期になってから障害され、記憶や理解や見当識などの低下により、生活機能が失われてゆく病態を指しています。
 脳システムのもつ機能は、加齢とともに生理的な変化を生じますが、認知症では事故や疾患などが原因の特徴的な変化が加わります。
 特徴的な症状は、認知症の基本症状といわれており、記憶障害のほか、失認(目でみたものを正しく理解できない)や失行(手順通りになにかをすることができない)や失語(言葉が理解できない)や、自己の置かれた状況がわからなくなる見当識障害や判断ができないなどです。
 基本症状をもつ場合、認知症に一括されますが、よく知られたアルツハイマー病をはじめとして、ピック病(前頭側頭葉変性症)や脳梗塞などの脳血管性障害や脳炎(ヘルペス、インフルエンザ)といった脳疾患の後遺症のほか甲状腺機能低下、ビタミンB1・B12欠乏症の症状などもあり、それらが重なる場合もあります。そのなかでアルツハイマー型認知症がもっとも多く、脳血管性認知症がつづきます。
 狭義にはアルツハイマー型と脳血管性が認知症と考えられており、先進国と新興国を問わず増加していると、WHO(世界保健機関)が報告しています。
 認知症の発症は、脳血管の疾患ばかりでなく、糖尿病や呼吸器疾患・腎疾患といった慢性疾患もリスク因子として挙げられています。

軽度認知障害(MCI)
 生理的な認知機能低下と、認知症という疾患の間には、正常でもなく、認知症でもない軽度認知障害(MCI)という状態があるという考えが生まれたのは、1990年代のはじめでした。

 MCIは、mild cognitive impairmentの略です。
 MCIは認知症の前段階であり、進行を予防する可能性をもった重要な症候群を指す用語として定着してゆきました。
 右図に示されているように生理的な認知機能のゆるやかな低下のラインを超えていて、やがてアルツハイマー病になる率が健常者にくらべて高い層ということになります。認知症へと移行すると、認知機能の低下速度がはやくなるというのです。
 近年の疫学調査や臨床データから、認知症の明らかな発症までには25年という長い時間の経過があるといわれるようになりました。
 MCIからは、毎年10~15%の割合で認知症へ移行すると報告されていますが、一方でMCIのレベルにとどまったり、なかには改善する例もある(14~44%)というのです。

MCIの脳
 MCIの時期は、記憶障害の訴えがあるものの、全般的な認知機能は保たれており、日常生活動作では自立しているのがふつうです。
 認知症脳の特徴である老人斑や神経原繊維変化が、MCI脳にもあらわれています。
 アルツハイマー病の発症は、「βアミロイド仮説」で説明されています。
 脳の加齢性変化として大脳皮質にβアミロイドというペプチドが沈着・凝集してきます。これが老人斑で、細胞の外側にたまります。
 βアミロイドは細胞膜にくっつき、細胞内部でタウとよばれるタンパク質をねじれた線維に変化させます。タウタンパクは細胞骨格の構成に重要な微小管に結 合して安定化させる役をしているのですが、βアミロイド沈着と連鎖して異常なリン酸化を受けて線維状になり、不溶性になってしまうのです。これが神経原線 維変化といわれる現象で、細胞死の原因になります。
 βアミロイドの膜結合によって細胞のシグナル受容が不調になり、タウタンパク質の異常リン酸化がすすむと考えられています。

加齢とMCI
 加齢が脳の構造・機能を変化させ、MCIや認知症へ向かうというプロセスは、すべての人で同じように進行するわけではありません。


 上図の25年と記された過程で、まず老人斑が生じる時期があり、その基盤として高血圧、高血糖、脂質異常などが存在しています。そして認知症へ加速させるものが異常リン酸化タウの沈着です(下図参照)。
 神経原線維変化は、βアミロイドの作用だけでおこるのではありません。酸化ストレスや小胞体ストレスは、生理的条件でも老人斑形成よりはやくタウ沈着をおこさせるというのです。 食生活を中心にした生活習慣が、MCIや認知症対策の鍵といえるでしょう。


βアミロイドの処理
 βアミロイドは前駆体タンパク(APP)から2段階で切断されて生じます。
 APPは、神経細胞内で細胞体から合成タンパクのシナプスまでの軸索輸送を助けたり、銅イオンのホメオスタシスや細胞間接着にも役割をもつなど、多機能を担っています。
 そこで機能を果したAPPが分解されるのは合理的な反応ということになるでしょう。
 生じたβアミロイドは、細胞の外へ出されてタンパク分解酵素やミクログリアの作用で分解されたり、血液脳関門を介して血中へ排出されたりして処理されます。
 血液脳関門のβアミロイドの輸送体が発見されて、神経細胞を保護していることがわかりました。
 排出されたβアミロイドは、多くは肝細胞へとりこまれて、胆汁へすてられてゆきます。
 βアミロイドは、凝集することによって毒性を獲得します。凝集を抑えるには、すみやかに分解処理されればよいことになるでしょう。
 タンパク質二次構造のβシートは、疎水性の相互作用によって互いに会合しやすい性質をもっています。βシートが数個集まったオリゴマーには毒性があり、シナプスの機能を障害することがわかりました。
 現在いくつもの実験系での食品成分のβアミロイド凝集抑制効果が報告され、カレースパイスのクルクミンやワインのポリフェノールが注目されています。

リスクはアポE4
 血中で脂質を運ぶLDLやHDLなどのリポタンパク質から脂質成分をとり除いて、残ったタンパク質成分をアポリポタンパク質といい、A・B・C・D・Eの5型があります。アポEはさらにアミノ酸の置換(2ヶ所)で生じたE2、E3、E4に分類されます。
 アポE4遺伝子は、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高くするという統計上のデータがあります。
 細胞膜上にアポE受容体があり、βアミロイドはそれを介してとりこまれ、細胞内でアポEと共存しています。
 アポEは、脳内では脂質運搬機能によってシナプスと樹状突起を連結し、細胞の修復を担っています。
 アポE4は構造の不安定性があり、部分的にくずれて中間体をつくりやすく、虚血や炎症、酸化ストレスによる神経障害における保護作用がE2やE3にくら べて明らかに劣っていることが知られています。アポE4はまた分解されやすく、その断片が炎症を誘発し、フリーラジカルがリソソーム膜をこわして内部の分 解酵素を流出させ、アポトーシスをひきおこします。
 アポE4はさらに脳のブドウ糖利用効率を低下させたり、樹状突起の伸長を抑制したりなど、アポE3の神経保護作用と反対の方向にはたらくというのです。
 脳は肝臓につぐアポEの合成器官で、神経細胞やグリア細胞がつくっています。マクロファージもまた神経細胞の変性や再生に対応してつくり、細胞外マトリックスに分泌します。
 このようなアポE合成は、神経保護作用を増強したり、障害された神経細胞の再生を促進するためですが、E4はその活性が低いばかりか、分解によって生じる断片は、細胞骨格を変性させたりミトコンドリアにも害を及ぼします。
 ミトコンドリアと小胞体の相互作用が変化して、酸化ストレスや小胞体ストレスがさらにミトコンドリア機能を低下させます。

脳血管と認知症


神経と血管の相互作用
 認知症は、アルツハイマー病と脳血管性に分類され、成因が論じられていますが、ほとんどの場合、アルツハイマー型においても脳血管障害を伴う合併型が少なくありません。

 発症に至るまでの25年もの期間では、脳血管の加齢による構造変化が生じており、神経と血管が相互に作用し合って病態が形成されてゆくと考えられるようになりました。
 この血管と神経細胞の機能的ネットワークは“neurovascular unit”とよばれて、その機能低下が認知症へと移行させる要因として注目されているのです。
 アルツハイマー病の脳細胞の変性でも、脳血管性での血管の病変でも、高血圧や糖尿病や免疫反応による酸化ストレスが血管炎症の火種となっています。
 脳の血管は、神経細胞ニューロンやグリア細胞に酸素や栄養物質を供給しますが、神経細胞から放出されるプロスタグランディンE2やグルタミン酸、アデノ シンなどがアストロサイトの受容体によりとりこまれ、NO(一酸化窒素)などの生理活性物質がつくられ、細動脈に作用して血流やグルコース代謝を調節する といったつながりをもっています。このような血管と脳細胞の相互作用がneurovascular unit(図参照)というわけです。
 グリア細胞と毛細血管とでつくっている血液脳関門も、慢性炎症により機能低下を生じます。

加齢でおこる脳内変化
 脳の血管には、加齢とともにいろいろな変化があらわれてきます。
 細動脈は、屈曲したり蛇行したりといった構造変化により血流低下がおこり、毛細血管では、基底膜へのコラーゲン沈着によって血管壁の肥厚が顕著になってきます。
 内皮細胞が放出するNOは、アルギニン(アミノ酸)からつくられますが、加齢はその効率を下げるのです。
 脳は神経活動の維持のために、つねに大量の血液循環を必要としています。心拍出量の17%の血液が送られ、全身の酸素消費量の20%を占めることをご存じでしょう。
 エネルギー産生を担うミトコンドリアにおける活性酸素の発生や免疫および炎症反応の変化もかかわっています。

ミトコンドリアの重要性
 一般にミトコンドリアでのエネルギー代謝における酸素消費量は細胞全体の90%以上を占め、そのうちの2~5%は活性酸素に変わっているとされていま す。ミトコンドリアは、細胞内での最大の活性酸素発生源であり、ミトコンドリアDNAの変異率は、核DNAにくらべて十数倍という高さです。
 ミトコンドリアは、つねに酸化ストレス環境にあるわけです。
 神経細胞内にβアミロイドなどの変性タンパクが集積すると、その凝集塊をミトコンドリアがとり囲み、変性タンパクはミトコンドリア内に蓄積するのが観察され、その結果ミトコンドリアがこわれ除去されます。
 こわされたミトコンドリアが細胞外へ放出されると、そのタンパク質や脂質、核酸などの構成成分が炎症反応をひきおこすことになります。
 アルツハイマー病の脳では、大脳辺縁系や前頭葉・側頭葉などで常在する免疫担当のミクログリアの活性が高まっており、炎症性サイトカインが増えて慢性炎症状態へすすみます。これが新たな酸化ストレスを生じるという悪循環におちいってゆくのです。

慢性疾患と認知症
 高血圧マウスの脳では、活性酸素の産生が増加しており、βアミロイドの蓄積も多いと報告されており、とくに中年期(40~64歳)の高血圧が高齢期の認知症リスクになると報告されています。
 糖尿病もまたリスク因子とされています。糖尿病では末梢神経障害が網膜症や腎症とともに三大合併症とされていますが、中枢神経障害としての糖尿病性認知症という語が登場しました。
 近年の大規模疫学調査では、アルツハイマー病発症リスクは、通常の2倍になるという結果でした。
 老人斑や神経原繊維変化にAGE(糖化で生成する物質)やRAGE(AGEの受容体)が沈着していることが観察されており、βアミロイドやタウタンパクにAGEが結合すると、凝集や沈着を加速すると考えられています。

細胞ストレスと認知症
 加齢による脳血管の変性と、ゆるやかに進行する慢性神経炎症が認知症の基盤になっています。
 脳のエネルギー代謝や酸素要求度の大きさ、血管構造やネットワークの成りたちといった脳の特性には、酸化ストレスがつきまとっています。
 頭蓋内動脈のミトコンドリアにはMnSOD(活性酸素除去酵素)が多く、その減少が加齢による血管内皮細胞機能の低下につながります。
 不良タンパク質の処理にかかわる小胞体ストレスが、細胞内蓄積やミトコンドリアの破壊とミクログリアの活性化を招き、酸化ストレスを増強させます。
 細胞表面のAGE受容体にAGEが結合すると、細胞内酸化ストレスをひきおこします。
 脳のエネルギー源としてグルコースが必須であり、エネルギー代謝や神経伝達物質づくりのためにタンパク質合成は休めません。グルコースとタンパク質が混在しての糖化ストレスのリスクも小さくありません。
 酸化ストレス、小胞体ストレス、糖化ストレスのトライアングルのレベルを下げるのに、良質タンパクとフィードバックビタミン・ミネラルや、抗酸化ポリフェノール類の積極的な摂取が役に立つでしょう。

メグビーインフォメーションVol.377「認知症の知識」より


www.megv.co.jp/web.php メグビーさんちより転載しました。

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