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★分子栄養学(三石理論):脳の特性─認知と記憶

生物の情報処理
 生物の歴史をさかのぼると、細菌や酵母のような単細胞生物から長い年月を経て多細胞生物へと進化してきました。
 生命体が生きつづけるには、栄養物や光源などへ近づくとか、有害性物質から離れるなどの環境情報の感知と処理、それによる行動という機能が必要であり、単細胞生物ももっていたその基本的能力は、多細胞生物では神経系といわれる構造に担われるようになりました。
 単細胞生物では、情報伝達の形式は、シグナルを受容したタンパク質が、次のタンパク質へと相互作用により伝達するという方式です。
 この方式では、タンパク質の状態の変化が符号になります。
 特定のアミノ酸にリン酸を付加するリン酸化と、リン酸を除去する(脱リン酸化)は、代表的なシグナルタンパク質の符号化です。
 進化の過程で、シグナル伝達系の種類が多くなり、複雑化しました。

ヒトの脳システム
 ヒトの脳は、1000億個もの神経細胞がつくるネットワークをもっています。
 大脳皮質の1立方ミリメートル中には10万個の神経細胞があり、各細胞あたり1万個程度のシナプス結合が存在します。

 細胞間をつなぐ軸索の総長は10キロメートル、中枢神経系全体では、100万キロメートルにもなる長さの配線が、立体的に密に連結された複雑なネットーワークに仕上っています。このネットワークは“神経回路網(ニューラルネットワーク)”とよばれています。
 神経細胞は電気装置としての性質をもっており、充電したり放電したりします。充電状態になることを興奮といいます。
 神経細胞の内と外とでは、ナトリウムイオンやカリウムイオンの濃度差があるため、電位差が生じています。神経細胞が興奮すると、ナトリウムイオンが細胞 内へ流入しカリウムイオンが出されて、イオン濃度の逆転により電位差が下がります。イオン濃度の逆転は細胞膜上のナトリウムポンプのはたらきで元へもどさ れるのですが、一過性の電位変化が神経インパルスとなって軸索へ伝わります。
 シナプスでは、電気信号はいったん化学伝達物質に姿を変えて渡され、次の細胞ではまた神経インパルスが走ります。

認知機能とヒトの脳
 脳という器官は、外界からもたらされる多種多様な刺激を知覚し、記憶し、認識し、学習したことを保存し、判断し、行動に結びつけるはたらきをしています。
 この脳内で休まず進行している一連の営みが認知機能といわれています。
 20世紀前半の認知機能研究は、心理学の領域でしたが、分子生物学の登場によって、ショウジョウバエや線虫などの単純な無脊椎動物での学習や記憶にはじまり、やがてマウスのようなより複雑な脊椎動物における分子レベル・細胞レベルの理解へとすすみました。
 ついで脳をシステムとする見方が生まれ、PET(ポジトロン断層法)やfMRI(機能的核磁気共鳴画像法)といった技術の進歩によって、認知機能がはたらくプロセスで脳内におこっている物質の状態を画像としてみることができるようになりました。
 脳機能の土台にある記憶のメカニズムについても、意識あるいは心のあらわれ方についてもまだ解明されたとはいえないのが現状ですが、わかってきたことも 少なくありません。複雑ネットワーク論は、神経細胞回路網(ニューラルネットワーク)を理解する新しいアプローチといえましょう。

特別な細胞・ニューロン
 すべての動物は、感覚情報を受けとるニューロン(知覚ニューロン)と、運動にかかわるニューロンと、両方の間に組みこまれた介在ニューロンをもっています。

 介在ニューロンにはいろいろの種類があり、神経回路内の情報の流れを調節したり協調させたりしています。そして記憶の貯蔵や学習の複雑なプロセスに重要な役割をもっています。
 一般に、細胞数が多くなり相互の連結のしかたが複雑になるほど、学習の能力は大きくなることが知られています。
 同じく3種類のニューロンをもっていても、動物によって学習能力が異なるのは、細胞数とそれらが相互に結合するパターンのちがいによるというのです。
 ニューロン間の相互結合の部分は、シナプスとよばれています。シナプスとはギリシア語で接合を意味する語です。
 ニューロンは右図のように、1個の細胞体と多数の樹状突起、1本の長い軸索をもっています。軸索の末端は枝分かれして多数のシナプス前終末となり、シナプス後細胞の樹状突起とシナプスをつくっています。シナプスの構造や性質の変化が、記憶や学習の基盤になっています。

シナプスの可塑性
 シナプスにおいて、ニューロン間でのシグナルは、神経伝達物質を渡すという方法で伝達されます。シナプスでは二つのニューロンはわずかなすき間(シナプス間隙)でへだてられており、電気信号は次に伝わりません。
 シナプス前終末に到達した電気信号は、あらかじめ蓄えられていた神経伝達物質を、シナプス間隙に放出させます。これがシナプス後細胞の表面にある受容体に結合すると、シナプス電位を発生させ、それが信号になります。
 放出される神経伝達物質はアミノ酸かアミノ酸の誘導体(グルタミン酸、γアミノ酪酸、アセチルコリン、アドレナリン、ノルアドレナリン、セロトニン、 ドーパミンなど)で、約5000分子をまとめて放出します。5000分子を包みこんだ小胞はシナプス小胞とよばれています。
 神経伝達物質の受容体には興奮性と抑制性の二つのタイプがあり、伝達物質の結合によって後細胞の活動電位が発生したり抑えられたりします。
 シナプス電位の強さは、放出された神経伝達物質の数や受容体の数で決まり、変化します。「ニューロン説」の提唱者で1906年のノーベル医学生理学賞を受賞したスペインの神経学者カハールは、シナプス結合の強さは固定したものではなく、可塑性があると考えました。
 シナプス結合の強さとは、ある細胞の活動電位が標的細胞を興奮または抑制させる度合を指しています。
 カハールは、学習がシナプス結合を強め、その継続が記憶の基礎になっているという仮説を立てたのです。この仮説は後年になって実験的に確かめられました。
 記憶は、無意識的で自覚されない“非陳述記憶または内在性記憶”と、意識的に想起したり回想したりできる“陳述記憶または顕在性記憶”とに分類されます。
 非陳述記憶は、方法・手続きを知る技能の知識のように、経験で修得され行動の変化にあらわれますが、意識的に想起しているわけではありません。それに対してモノやコトや考えなどの意識できる記憶が陳述記憶です。

記憶の段階
 非陳述記憶は無脊椎動物の神経系でも営まれていますが、陳述記憶では脳のシステム的構造が必要です。
 一方は無意識に行われており、他方は意識的に想起されるという相違点がありますが、相方に短期記憶と長期記憶があることや、長期記憶が形成されるメカニズムには共通点があります。
 共にシナプスの成長や、新しいタンパク質合成といった変化がありました。
 短期記憶は数分間つづき、長期記憶は数日あるいはそれ以上持続します。
 認知心理学では、短期記憶を即時記憶と作業記憶に分類しています。
 即時記憶は、情報を受けとった瞬間に、注目され、通常は数秒以内で意識から消えるので瞬間記憶ということもあります。
 即時記憶を繰り返し復唱すると、記憶されている時間が延長します。この延長された記憶を作業記憶とよびます。
 作業記憶にかかわる神経細胞の活動が調べられて、対応するニューロンのネットワークのありかが見出されました。そのなかでもっとも重要な領域が前頭葉でした。前頭葉が記憶を保持したり想起したり、制御して行動したりなどの機能を担っています。

記憶機能のメカニズム


記憶の貯蔵
 事故などで脳を損傷した人びとが、長期記憶を貯蔵する脳の領域について解明する手がかりをもたらしました。

 ヒトは視覚によって多くの外界情報を得ますが、その認識や処理は側頭葉の脳システムが担っており、手で触った感触は頭頂葉というようにカテゴリーに対応する部位がありました。
 そして近年のfMRI(機能的核磁気共鳴画像法)は、動物の名を挙げたとき、道具の名前を示したとき、動きのパターン、物体の性質などの知覚や学習により活性化される領域と記憶の貯蔵との関係を明らかにしました。
 それらの領域が損傷されれば、それに関連したモノやコトの認識が困難になるわけですが、側頭葉の内側が損傷されると、すべての陳述記憶が失われることがわかりました。
 内側側頭葉は、海馬や扁桃体やその周辺を含む広い領域を指しています。
 内側側頭葉の損傷では即時記憶と作業記憶は保たれていますが、長期記憶ができません。新しいことが記憶できないことになります。
 新しい記憶を保持するメカニズムでは、とくに海馬が重要です。

海馬の役割
 解剖学的研究から、両側の海馬の中のCA1という領域の損傷から記憶障害がおこっていることがわかりました。さらにCA3や他の部位(下図中の歯状回や、海馬と隣り合う嗅内皮質)などにも損傷がひろがっているほど、記憶障害が重症でした。
 海馬は、陳述記憶にとって重要なはたらきをしていますが、学習したのちの時間経過とともに前頭などの新皮質において、新しいシナプスがつくられたり、シナプスでのタンパク合成がおこったりして、記憶が移されてゆくと考えられるようになりました。
 シナプス前細胞のなかには、シナプス小胞が存在しないものがあり“サイレントシナプス終末”とよばれています。
 長期記憶のスイッチを入れる遺伝子がはたらき、タンパク質合成がおこり、シナプス小胞が供給されてくると、シナプス終末が活性化されます。このプロセスは3~6時間ほどかかり、次に12~18時間かけて機能をもったシナプスが新生してくるのです。
 加齢にともなう物忘れの原因も、シナプスの数や結合の変化に関係しています。

ヘッブの学説
 記憶は脳内に分散され、大脳皮質の広い領域で、細胞が集合し協力してはたらいているという考え方をはじめて提唱したのは、カナダの心理学者ヘッブでした。
 ヘッブはまた、学習により相互に連結した二つの神経細胞が同時に興奮するとき、シナプスの結合性が強化され、伝達の効率が上昇するという仮説を発表しました。
 やがてこの仮説は、神経生理学上の事実として確かめられました。
 シナプス伝達の効率の強化は“長期増強(LTP)”と名付けられ、この現象をひきおこすメカニズムが研究されました。
 遺伝子操作によってLTPのおこらない動物をつくってみると、記憶力が劣っていることがわかったというのです。
 動物をストレス状態にすると、LTPが形成されにくくなることや、アルコールの摂取がLTPを弱めることなどが示されました。

加齢とシナプスの変化
 年齢を重ねるにつれて記憶する能力が低下してくると感じる人は少なくありません。その理由として、一般に神経細胞の脱落が指摘されました。成人期を通じて、ヒトの脳は毎日10万もの神経細胞を失っているというのですが、この説は訂正されることになりました。

 初期の測定では、神経細胞の数は、少数のサンプルから推算されたもので組織の全容積や細胞の大きさによる補正がされていません。領域ごとの神経細胞数は計測できませんでした。
 細胞数を計測する技術がすすんだ現代では、海馬を例にして、次のように報告されています。
 海馬においてCA1やCA3や歯状回の細胞数はほとんどが保たれており、重大な変化はネットワーク内のシナプスの数や結合強度が示すシナプス可塑性である、というものです。
 シナプスの数は保たれていても、小さくなっていたり、LTPが形成されてもはやく衰えてしまい、維持できる期間が短くなったりすることが、物忘れの原因になります。
 アルツハイマー病では、初期の段階で、海馬と側頭葉での神経死が生じてきます。
 海馬の神経細胞は、虚血に弱いことが知られています。脳虚血後の再灌流では酸化ストレスがひきおこされますが、数日後に海馬CA1領域で細胞の脱落(遅発性神経細胞壊死)に見舞われるのです。
 学習と、コーディングおよび抗酸化に着目した栄養条件が、“記憶”を守ることになります。

メグビーインフォメーションVol.376「脳を考える」より


www.megv.co.jp/web.php メグビーさんちより転載しました。

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