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★分子栄養学(三石理論):異常タンパクと生体

タンパク質の形づくり
 タンパク質は、20種類のアミノ酸が鎖のようにペプチド結合でつながった分子(ポリペプチド)で、そのアミノ酸の並び方によって固有の形(立体構造)をとることで、さまざまな機能をもつようになります。
 タンパク質の立体構造では、まずαヘリックスとよばれるらせん状の部分がつくられ、つづいてポリペプチド鎖が平行に並ぶβシートができます。このとき生じる折れ曲がりの部分ではリバースターンといわれる構造があらわれます。
 ポリペプチド鎖が折りたたまれて、三次元の構造に仕上ってゆくことを“折りたたみ(フォールディング)”といいます。
 折りたたまれることで、分子の表面にさまざまな凹凸が生じ、これが他のタンパク質やいろいろの分子との相互作用を可能にし、タンパク質機能に多様性を与えたのです。
 生体分子としてのタンパク質は、細胞小器官の粗面小胞体で進行します(下図)。
 粗面小胞体は、タンパク合成を受けもつリボソームやゴルジ体と協力して、新規合成されたタンパク質のフォールディングや糖鎖付加を行い、一人前のタンパク質に仕上げます。
 さらに仕上りに問題のあるタンパク質をチェックし、不良品は処理するという品質管理も受けもっています。

ミスフォールドタンパク質
 タンパク質が正しくフォールディングされるように助ける役のタンパク質(分子シャペロンのなかま)がはたらきますが、熱ショックなどのストレスがミスフォールドの原因となり、異常タンパクをつくってしまう不都合がおこります。
 もともとタンパク質の合成プロセスは、複雑であり、水がベースの細胞内での多数の分子の集合と熱運動によるゆらぎがあって、確率に支配されています。合 成されるタンパク質の数は1秒間に数万個といわれるほどの大量であり、細胞ごとにいろいろの種類のタンパク質を次つぎにつくる作業なので、つねに確実とは ゆきません。
 フォールドされる前のポリペプチド鎖では、疎水性アミノ酸がむき出しであり、お互いに集まろうとしてくっつきあってしまいます。
 正しいフォールディングでは、疎水性アミノ酸を内側に囲んで安定な構造に仕上げるのですが、ミスフォールドタンパク質では疎水性アミノ酸が外側にむき出しになりやすく、別のミスフォールドタンパク質と集合しようとして凝集します。
 凝集タンパクの塊が大きくなると、正しくフォールドしたタンパク質の変性をおこす触媒となり、凝集のなかまにひきこむこともあるのです。
 それは細胞にとって大きな危機であり、このような事態を避けるために備えている機構が小胞体ストレス応答です。

小胞体という細胞小器官
 必要に応じてタンパク質をつくりつづける細胞工場の製造システムの中心は“粗面小胞体”です。
 アミノ酸をつないでポリペプチド鎖にする作業は、リボソームという細胞小器官の仕事です。
 細胞工場は、リボソームのほか、ミトコンドリアやゴルジ体、そして小胞体といった膜構造の小器官で構成されています。
 小器官には、それぞれに専門の機能があり、それに適した構造をもっていて、細胞内に配置されています。
 リボソームは、細胞質に散らばっている遊離のものと小胞体に結合しているものとがあります。リボソームが結合する小胞体は核の近くにあり、粗面小胞体とよばれています。
 粗面小胞体は、多数のリボソームが結合していて電子顕微鏡で観察すると粗く見えます。

 粗面小胞体と内腔でつながっている滑面小胞体の表面は特徴がありません。コレステロールやリン脂質の合成、薬物の解毒、カルシウムの貯蔵などの役割をしています。
 タンパク質の仕上げと品質管理をしているのは粗面小胞体で、そのプロセスで異常タンパク質が蓄積する事態になり、恒常性が破綻することを“小胞体ストレス”といい、これに対して細胞がおこす反応が“小胞体ストレス応答”です。
 タンパク質づくりのトラブルは、個体の生存にかかわります。細胞の外へ分泌されてはたらくタンパク質(分泌タンパク質)や、細胞膜に配置されてシグナル伝達や物質輸送などを受もつ膜タンパクや、細胞内構造用タンパクなどが小胞体でつくられています。
 分泌タンパクや膜タンパクは糖鎖をつけられて完成品になります。糖鎖の付加はタンパク質構造を安定化させています。

分子シャペロン
 粗面小胞体の内腔には、分子シャペロンとよばれるタンパク質のなかまが存在します。
 分子シャペロンは、生成途上のポリペプチド鎖の成熟を助けたり、誤りを訂正したりして、ひとつのタンパク質を仕上げるまでに何種類ものなかまが協働しています。
 分子シャペロンは、熱や圧力や紫外線、低酸素、虚血、重金属、過酸化物、グルコース飢餓といったストレッサーに見舞われた細胞で誘導されることがわかって“ストレスタンパク質”とよばれることになりました。
 ストレスタンパク質は、タンパク質の変性を抑制し、フォールディングをすすめていますが、異常タンパクが増加してくると対応しきれなくなってしまいます。

小胞体関連分解
 小胞体内の分子シャペロンには、タンパク質の品質チェック機能をもつなかまがあり、その基準をパスしないタンパク質は、輸送先であるゴルジ体(装置ともいう)へ送りません。小胞体内腔に止めて置き“小胞体関連分解”の対象にするのです。
 タンパク質はつねに分解される一方で合成される代謝回転を繰り返しています。タンパク質にはそれぞれに固有の寿命があり、代謝回転によって量を調節した り、細胞内部を浄化したりしますが、小胞体関連分解は、タンパク質の構造異常を見分けて、細胞内で選択的に分解することをいいます。
 異常タンパクを小胞体から出してしまうと、細胞内のいろいろの場所でタンパク質機能を損うリスクが生じてしまうので、小胞体内部で処理するしくみになっています。
 変性タンパク質は、からだの免疫システムにとって非自己とみなされる抗原性をもつことがあり、その情報が提示されると自己免疫をひきおこしかねません。
 小胞体関連分解では、異常タンパクは細胞質へ放出され、そこでプロテアソームによって分解処理されるしくみです。

プロテアソーム
 タンパク質の分解機能をもつ酵素プロテアーゼが集まり、筒型の複合体となったのがプロテアソームで、巨大なタンパク分解装置といわれています。
 プロテアソームによるタンパク質分解は、ATPを消費します。消化管での栄養物のタンパク質分解にはエネルギーは不要です。
 選択的に分解するには、標的タンパク質に目印をつけなければなりません。
 ユビキチンという小さいタンパク質を目印としてつけ、分解するのが“ユビキチン-プロテアソームシステム”で、その研究は2004年にノーベル化学賞を受けました。
 小胞体関連分解は、ミスフォールドしたタンパク質を認識し、小胞体から細胞質へ出すチャネルまで移動させ、ユビキチンという目印をつけたり、糖鎖をはずしたりなどの手つづきを経る複雑なプロセスで構成されており、そこにはチェック機能も組みこまれています。
 分子シャペロンや小胞体関連分解にはたらく酵素などが誘導される小胞体ストレス応答の経路は、異常タンパク応答といわれています。
 フォールディングの異常に、直接または間接にかかわる疾患は少なくありません。身近な白内障・アルツハイマー病・ALS(筋萎縮性側索硬化症)・プリオン病の発症も、コンフォメーションの異常によると考えられています。

コンフォメーション異常病
 通常、細胞内の遺伝子発現では、リボソームでポリペプチド鎖をつなぐと、ほぼ1秒ぐらいでフォールディングされてゆきます。
 そしてフォールディングにミスが生じたときは分解してしまうのが決まりです。細胞内では、ミスフォールドタンパク質や、いろいろな環境要因によって変性 したタンパク質は、ユビキチン─プロテアソームシステムばかりでなく、リソソーム─オートファジーシステムなどで処理され、凝集したり沈着したりという事 態にはたやすくなるわけではありません。
 異常事態になるには、長い時間が経過しています。そして細胞レベルのストレスが蓄積や沈着を促進するのです。
 感染や炎症は、コンフォメーション異常と密接であり、加齢が時間経過に結びついています。
 加齢性疾患とコンフォメーション異常は切りはなせないことになるでしょう。
 小胞体ストレスと同じように、生きる営みのなかで必然的に生じているリスク因子には、細胞の内外で絶えず進行する“酸化”と“糖化”の問題があります。
 酸化ストレス、糖化ストレスおよび小胞体ストレスは、細胞の三大ストレスになっています。

ストレストライアングル論


タンパク質の素顔
 “生命活動を担う分子は?”の問いに、タンパク質の名が返ってくることは、現代人の常識になっています。

 タンパク質とその素材であるアミノ酸との関係や、食品成分としての栄養価についても多くのことが知られています。
 分子生物学が遺伝現象のしくみを明らかにし、構造生物学はタンパク質の多彩な機能の謎解きに迫りました。
 細胞という生物体の構成要素のなかで、多くのタンパク質がつくられ、役割を分担し、糖や脂質やビタミンなどの有機物やミネラル類とかかわりあい、分解さ れてゆくプロセスが解明されてゆくにつれて、からだの正常な営みを維持するためのタンパク質のはたらき方ばかりでなく、さまざまな病気の発症と密接なタン パク質の弱点もわかってきました。
 見えてきたタンパク質の弱点は、細胞にとってのストレッサーとして作用し、病態を生じさせたり老化をすすめたりしています。

タンパク質の弱点
 細胞というおよそ10~20ミクロン(1ミリの100分の1から50分の1)という大きさでしかないスペース内で、毎日驚くほど大量のタンパク質の合成 と分解が繰り返されています。タンパク質はそれぞれの持場に輸送されてゆき、細胞外に分泌されたり細胞膜に埋めこまれたり、細胞小器官の構成材料になった りします。
 細胞内には、DNA分子を収納した核や、生体エネルギーを効率よくつくり出す装置のミトコンドリアなどの小器官が配置され、物質の合成や分解や輸送での混乱を防いでいます。
 細胞内スペースの核を除いた部分が細胞質で、さらに細胞小器官を除いたものを、細胞質ゾルとよんでいます。
 タンパク質合成は、リボソームと名づけられた細胞小器官ではじまり、小胞体およびゴルジ体との協働作業で一人前になります。
 その仕事に不可欠なエネルギーの調達機構には酵素が必要であり、副産物としての活性酸素による“酸化”がつきまといます。またエネルギー源の基本物質の糖が常に運びこまれて混在しており“糖化(インフォメーションVoL.374参照)”がおこりかねません。
 さらにタンパク質の正しい構造づくりは簡単な作業ではないため小胞体ストレスのリスクが避けられないのです。
 酸化ストレス、糖化ストレス、小胞体ストレスはタンパク質の弱点といえるでしょう。

細胞のストレス応答
 酸素を利用する生体にとって、抗酸化にはたらく酵素をもつことは必須でした。同じようにしてAGE(終末糖化産物)の生成を防ぐAGE前駆体消去酵素群のあることが知られています。
 小胞体ストレスを防ぐためのセンサー役タンパクや、分解処理経路に動員される酵素もはたらきます。
 ストレッサーは、生体に防御反応としての応答をひきおこします。そして元の状態にもどそうとするはたらきとの間に力関係が生じます。両者のバランスがマ イナスに傾いた状態は、細胞レベルでも個体レベルでも生存にとって不利であり、とくに酸化ストレス、糖化ストレス、小胞体ストレスとよばれています。
 生体内では、酵素作用による合目的的な酸化反応も、糖の付加反応もおこっています。
 糖鎖をもつ糖タンパクや糖脂質が、細胞表層に分布しています。糖鎖は細胞に固有の目印となってシグナルの受容や細胞内へのイオンの透過などによって細胞機能を維持させています。
 糖鎖はタンパク質構造の安定にも必要ですが、酸化や糖化がそれを切断すると、タンパク質を失活させます。
 免疫反応や造血システムなどの生理機能が、サイトカインとよばれる細胞間の情報交換を受けもつ分子により維持されていますが、サイトカインは糖鎖を認識してはたらいています。

腎臓と細胞ストレス
 AGEは非酵素的に生じる有害物質なので、腎臓がその消去を担っています。
 体内の有害物質の主要な排出経路が腎臓における血液の濾過システムです。
 濾過し排出された物質を網羅的に測定する技術(メタボローム解析)により、尿中にAGEやその前駆体が存在することがわかってきました。
 腎糸球体メサンギウム細胞や尿細管上皮細胞はRAGE(AGE受容体)をもち、AGEをつかまえて細胞内にとりこみ、分解処理しています。メサンギウム細胞は糸球体の血管のすき間に存在、収縮能をもっていて血液濾過を調節しています。
 腎臓の糖化ストレス対策が不調になると、慢性炎症や活性酸素の発生を招きます。糖化ストレスは異常タンパク質をつくり、小胞体ストレスの原因になることが知られています。
 小胞体内に異常タンパク質が蓄積すると、そのシグナルが活性酸素を過剰につくらせ、それが新たな糖化の促進役になるというように、各ストレスの間につながりがあるのです。
 糖化ストレスは他のストレスの引き金になり、それがフィードバックする関係にあるわけです。

ストレストライアングル
 腎臓にかぎらず、糖化ストレス、酸化ストレス、小胞体ストレスの間にある相互作用が、組織・器官の構造や機能の低下をひきおこしています。
 酸化ストレスも糖化ストレスも、小胞体ストレスも、代謝をはじめとする生理現象のなかに発生要因があり、全身でおこる非酵素的反応であり、細胞レベルから個体レベルまで波及しつつ、加齢とともに病態を形成することになります。
 各ストレスはトライアングル(三角形)の関係にあり、つねに変化しつつ生体の恒常性に影響を与えていると考えるのが「ストレストライアングル説」です。
 ストレストライアングル説は、生命理解を助けるでしょう。

メグビーインフォメーションVol.375「小胞体ストレス」より


www.megv.co.jp/web.php メグビーさんちより転載しました。

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