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★分子栄養学(三石理論): タンパク質の糖化(非酵素的)

糖化とAGE
 生体を構成するタンパク質は、絶えず分解と合成を繰り返しながら、一定範囲の平衡を保っていることが知られています。
 生体タンパク質の機能はいろいろですが、その寿命もいろいろです。酵素タンパクのなかには10分から30分という短寿命のものもあり、筋収縮タンパクのミオシンのように月単位のものもあります。
 タンパク質のアミノ基が、糖のカルボニル基と結合することではじまる複雑な反応で褐色の物質を生じる、食品化学で知られた“メイラード反応”が体内でも生じており、動脈硬化や白内障、アルツハイマー病などの加齢性疾患の主要な原因といわれるようになりました。
 ヒトはグルコースをはじめとする糖質を摂取して、エネルギー代謝を営みます。体内にはいった糖質とタンパク質とが、非酵素的に反応してメイラード反応がおこった結果、標的となったタンパク質が変性したり、機能を失ったりするというのです。
 メイラード反応は、糖によるタンパク質アミノ基の修飾反応であり、“糖化(glycation)”といわれます。糖化反応により生成する物質をまとめて終末糖化産物(AGE)とよんでいます。
 寿命が長いタンパク質は糖化をうけやすく、また糖尿病などで体内の糖濃度が高いほどAGEがつくられやすくなります。
 糖化の受けやすさはタンパク質の種類によっても異なっています。
 医学研究の分野では、とくにメイラード反応の初期をグリケーション(糖化)といい、酵素による反応は“グリコシレーション(糖鎖付加反応)”といい区別しています。

AGEを生じるプロセス
 タンパク質とグルコースが結合して糖化したタンパク質が、シッフ塩基を経由してアマドリ化合物になる初期反応は可逆的ですが、さらに糖化が進行するとAGEになります。

 糖尿病の診断に用いられているHbA1c(糖化ヘモグロビン)はアマドリ化合物の1種です。
 AGEにまでゆきつくと不可逆的になり、元の物質にはもどりません(右図)。
 AGE化によりタンパク質の立体構造が変化します。
 ヘモグロビンのほか、アルブミンやリポタンパクのLDLやHDL、免疫グロブリン、水晶体クリスタリン、コラーゲン、爪のケラチン、骨のオステオカルシン、赤血球や内皮細胞の膜タンパクなど、さまざまなタンパク質の糖化が日常的に生じています。
 タンパク質の糖化は、全身で共通しておこり、非酵素的にたやすく進行するので、酸化ストレスと並ぶ糖化ストレスとして認識されることになりました。

AGE受容体
 AGE化したタンパク質が細胞内にとりこまれた場合、リソソームでの分解を受けにくいため、内部に蓄積してゆきます。これが細胞機能に影響を与えます が、細胞外のAGEは、細胞表面のAGE受容体(RAGE)を介して作用して、いろいろの生理現象を誘発することが明らかにされました。
 RAGEは、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、毛細血管周皮細胞、腎メサンギウム細胞、足細胞(糸球体上皮細胞)、神経細胞、グリア細胞、肺胞上皮細胞、気管上皮細胞、マクロファージなどのさまざまな組織・細胞に存在しています。
 糖化されたタンパク質などの分子がRAGEに結合すると、酸化ストレスや炎症反応をひきおこし、組織を傷害するのです。

酸化ストレスとの関係
 近年、糖化ストレスと酸化ストレスとは、密接にかかわるウラとオモテの関係にあると考えられるようになりました。
 活性酸素除去酵素SOD(スーパーオキサイドジスムターゼ)のなかまである銅・亜鉛SOD(Cu・ZnSOD)は、糖化反応の影響をダイレクトに受けて活性が低下してしまいます。
 Cu・ZnSODは、血中や眼球や腎臓などにひろく分布しており、活性酸素スーパーオキサイドを消去する酵素です。
 タンパク質の糖化では、アマドリ化合物を経て反応がすすむとき酸素が存在するとスーパーオキサイドが生じます。
 SOD分子では、活性部位(銅イオン)の近くに糖化がおこり、スーパーオキサイドがペプチド鎖を切断するため、銅が分子からはずれてしまいます。
 この銅がSOD分子の周辺でフェントン反応(金属イオンによる還元反応)により、過酸化水素に作用して、最強力の活性酸素ヒドロキシルラジカルをつくり、SOD分子はこれによりさらに切断されることになります。
 SOD分子の減少は、抗酸化力の低下であり、組織や器官での脂質の過酸化、DNA損傷、タンパク質や糖の分解などにつながるわけです。

 SODばかりでなく、抗酸化酵素ではグルタチオンペルオキシダーゼもまた、糖化により活性が低下します。
 腎臓の血液濾過のしくみを担う足細胞において、AGEがRAGEを介して活性酸素の産生を促すことが報告されるなど、糖化ストレスと酸化ストレスの相互作用が明らかになってきました。

食品とAGE
 メイラード反応は、食品の調理、加工、保存中にも進行します。
 アマドリ化合物やAGEが、日常的に摂取される食品にもふくまれています。その多くは人体にとって有害ではありませんが、なかには酸化ストレスや慢性炎症とのかかわりから、疾患や老化の促進因子になる場合のあることが指摘されています。
 いろいろの食品中のAGE含量が調べられて、バターやマヨネーズ、チーズ、鶏肉(焼、揚)牛肉(揚)などの脂肪や肉製品が、炭水化物や野菜、果物群より高い数値を示すことが報告されました。
 とくに高温で加熱した食品中のAGEは、炎症や酸化ストレスをひきおこすリスクが大きいとされています。
 生の豆腐にくらべて、焼豆腐ではAGE量は5倍になっています。 野菜や全粒粉などはAGE量が低値ですが、レモンや酢は、さらにその数値を下げます。
 注目すべき点は、食事中のAGEの量の多い人は、血清中の数値が高いという相関が明らかになったことです。
 動物実験では、AGEの摂取制限によって寿命が延長したとされています。

グリコトキシン
 生体内で毒性物質としてはたらくAGEや中間体は“グリコトキシン(glycotoxin)”とよばれています。
 グリコトキシンは、細胞のアポトーシスを誘導して細胞数を減少させたり、炎症性サイトカインの産生を増加させたりして、糖尿病の発症や合併症、腫瘍の発生・転移、アルツハイマー病などの神経変性疾患の発症・進展などにかかわるのです。
 AGEの毒性が明らかになって、その生成をさまたげたり、分解し排除したりなどの対策法の研究がはじまりました。
 ビタミンB6の誘導体であるピリドキサミンは、AGE生成抑制作用を示しました。実験的に糖尿病を発症させたラットに対してピリドキサミンを投与したところ、腎症および網膜症の進行が抑えられたという研究結果から、現在、各国で臨床試験がすすめられています。
 血中タンパクのアルブミンがAGE化されるとRAGEを介して腎糸球体の濾過装置であるスリット膜の構造を変化させ、タンパク尿などの原因になります。
 糖尿病ラットやヒトで、チアミン(ビタミンB1)の大量投与により、アルブミン尿を改善したという報告があります。
 生体には、AGEの前駆体物質(反応性ジカルボニル化合物)を消去するなどの抗糖化性の酵素群があることが知られています。
 酸化ストレスにかかわる疾患では、AGE前駆体消去酵素のひとつ“グリオキサラーゼ”の活性が低下しています。
 グリオキサラーゼには遺伝子多型があり、それが糖尿病合併症発症のリスクに関連があることがわかりました。
 グリオキサラーゼの活性が、糖化と酸化という生体の二大ストレスをつないでいるのです。

糖化タンパクと疾患


AGE と眼疾患
 糖化をうけやすいタンパク質のひとつが、水晶体タンパクのクリスタリンです。
 生体内でのメイラード反応が注目されることになったきっかけは、1960年代の後半でのクリスタリンの糖化の発見でした。
 加齢にともなってヒトの水晶体に褐色反応が生じており、色素沈着が観察されます。
 水晶体にあるSODの糖化を調べると、糖尿病の場合、その割合の多いことがたしかめられています。
 白内障とともに加齢との関係で知られる黄斑変性もまた、AGEとの関連が明らかになりました。
 加齢黄斑変性では、網膜色素上皮細胞やその周辺での慢性炎症、脈絡膜の虚血などが相互作用しながらすすみます。
 眼という器官は、つねに紫外線のエネルギーを受容しつつはたらき、そのために酸化ストレスにさらされています。これが糖化反応に結びついています。
 黄斑変性の初期には、網膜色素上皮細胞の下側にドルーゼンとよばれる沈着物がみられ、このなかにAGEが増加してきます。
 AGEの沈着によってLDLの輸送が障害され、これが酸化LDLとなっておこる免疫反応がドルーゼンを形成すると考えられています。

AGEと動脈硬化
 動脈硬化症は、血管壁における炎症反応により発症し、進展します。
 AGEは、血管内皮細胞上のRAGEと結合すると、さまざまなサイトカインや増殖因子を分泌させたり、NOを不活性化させたりして、炎症をひきおこします。
 動脈硬化の初期には、泡沫化マクロファージが内皮組織にはいりこんでゆきます。
 酸化し糖化したLDLをとりこんだマクロファージが泡沫化し、増殖因子などを分泌して血管平滑筋を増殖させます。
 AGEはまた、血管新生を促して炎症を強めたり、石灰化をひきおこしたりして、血管の弾力を奪います。
 血管平滑筋細胞上にあるRAGEに、AGEが結合すると、酵素NAD(P)Hオキシダーゼが活性化し、活性酸素を発生します。
 活性酸素が転写因子に作用して、平滑筋遺伝子を抑制し、骨芽細胞遺伝子を発現させるというのです。
 1990年代に、血管の石灰化部分に骨形成にかかわるタンパク質が発見され、血管石灰化と骨形成とが、同じ生理現象とみなされることになりました。そしてここでもAGEとRAGEのかかわりが認識されたのでした。

AGEと骨粗鬆症
 骨粗鬆症は、“骨強度の低下によって骨折のリスクが高くなる骨の障害”と定義されています。
 骨強度は、骨密度と骨質とが相まって決定されます。
 骨は骨基質の石灰化でつくられており、骨基質はコラーゲンで、体積の50%を占めています。骨密度はミネラル成分(Ca、P)の量です。 加齢とともに 骨コラーゲンはAGE化してゆきます。近年、血中や尿中のAGE(ベントシジン)値により、骨折リスクを評価する試みがはじまっています。
 コラーゲン分子は、隣り合う分子同士が架橋されて構造が安定します。正しい架橋は、骨芽細胞が分泌する酵素の作用で秩序をもってつくられますが、AGE は無秩序に分子をつないでしまい、骨を過剰に硬く、もろくしてしまうのです。非生理的なAGE架橋の代表的な構造体がベントシジンなのです。
 骨コラーゲンにベジトシジンが多くつくられてくると、鉄筋コンクリートの老朽化によるひび割れのように、微少骨折(マイクロクラック)を生じさせることがわかりました。
 加齢にともなう骨のAGE化は、男女に共通しています。
 血中のホモシステイン高値は、骨密度とかかわりなく骨折のリスク因子とされていますが、ホモシステイン血症が、コラーゲンのAGE化を促進するためと考えられています。ビタミンB6・B12や葉酸はホモシステイン代謝を改善することで骨の劣化を防ぐことになるでしょう。
 またビタミンDおよびビタミンKが、コラーゲンの正しい架橋を助け、AGE架橋を抑制すると報告されています。
 ベントシジンは、アミノ酸リジン・アルギニンが主にベントース(五炭糖)と反応して生成するAGEで、変形性関節症や関節リウマチでも、血中や関節軟骨、滑膜などで多く測定されているのです。

AGEと筋組織
 加齢や長期の不活動などにより、筋肉組織の萎縮がおこります。
 加齢により、筋量が減少し、筋力や身体機能が低下する病態は“サルコペニア(Sarcopenia)”とよばれています。
 サルコペニアという語は、英語のflesh(肉づき)とloss(消失)をあらわしています。
 サルコペニアは、日本人では70~85歳の男性で63.4%、女性は39.9%であり、欧米人にくらべてリスクが高いとされています。
 AGE化は収縮タンパクのアクチンおよびミオシンに生じてきます。
 筋肉組織の機能は、収縮タンパクだけでなく、筋膜や腱や靱帯などが加わって支えられます。
 筋膜や腱でもペントシジンが加齢により増加しています。
 糖化LDLは、細動脈血管を収縮させ、血中物質の糖化は炎症反応や内皮細胞障害により、筋組織内に酸化ストレスをひきおこします。
 機能的な運動により日常的に筋細胞膜が傷みますが、その修復をAGEがさまたげているというのです。
 膜修復の不調は、細胞死を招き、筋量を減少させます。

AGEと皮膚
 皮膚の真皮は、コラーゲンやエラスチンなどの寿命の長いタンパク質で構成されています。
 紫外線にさらされた皮膚では、コラーゲンやエラスチンの糖化がおこり、分解されにくくなって組織に沈着することになります。真皮の異常エラスチンは、30歳頃からあらわれて、顔のシミやシワの原因になると考えられています。
 加齢性に生じてくる皮膚や骨や血管の変化は、酸化ストレスと密接にはたらく糖化ストレスが異常タンパクをつくり、その蓄積(小胞体ストレス)により、各栄養素(糖質、脂質、タンパク質)の代謝に影響し、見かけ上や実質的な老化の促進因子になっています。

メグビーインフォメーションVol.374「糖化ストレスと生体」より


www.megv.co.jp/web.php メグビーさんちより転載しました。

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