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★分子栄養学(三石理論): 脳機能とグリア細胞

ニューロンとグリア細胞
 天才とよばれる人びとの脳には、なにか特別の秘密がかくれているのではないかと考えた研究者によって、アインシュタインの脳が無断で遺体からとり出されたという話は有名です。
 そして分析の結果は、一般人との決定的なちがいはニューロンの数ではなく、グリア細胞の数が平均値を超えていたというものでした。
 従来グリア細胞は、ニューロンやその環境を整え保護する役と見なされていました。その役回りは重要ですが、脳機能発現の主役はニューロンであり、そのネットワークでした。
 ところがいま、脳研究は新たな展開をみせており、そこではグリア細胞が脚光を浴びているのです。
 ニューロンネットワークの情報伝達システムは、電気的方法を採用していますが、グリア細胞の一種アストロサイトもまた脳内にひろがるネットワークをつ くって情報を伝えており、さらにニューロンネットワークと互いにコミュニケーションをとっているという状況がわかってきました。
 グリア細胞は、カルシウムイオン濃度の変化を基盤として、さまざまなサイトカインやATPなどを分泌し、情報伝達の手段としています。

3種類のグリア細胞
 グリア細胞はマクログリアとミクログリアに大別され、アストロサイトはオリゴデンドロサイトとともに前者に属しています。
 マクログリアはニューロンと同じく神経幹細胞から生まれるのに対し、ミクログリアは造血幹細胞由来であり、脳神経系における免疫担当細胞としてはたらいています。
 3種類のグリア細胞は大きさも形態もそれぞれに異なっています。
 オリゴデンドロサイトは、ニューロンの軸索を髄鞘化して、電気信号の伝導速度を調節する大型のグリア細胞です。
 アストロサイトは多くの突起をもっていて、それが血管との間で血液脳関門をつくり、ニューロンへの仲介役として栄養物を供給します。
 ミクログリアは、定期的にシナプスと接触してチェックしており、虚血・梗塞などの異変が生じたときは活性化して、死んだ細胞を貪食したり、シナプスを除去したりといった免疫能を発揮します。
 アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患では、シナプスが減少しミクログリアが活性型に変化していることが観察されています。
 麻酔薬を投与する実験で、興味ある事実が明らかになりました。
 意識という脳の機能は、麻酔薬によって一時的に失われますが、このとき脳の領域によってはニューロンの活動はほとんど影響されず、グリア細胞の活動だけが強く抑制されていたというものです。認知や思考といった脳の高次機能とグリア細胞は密接な関係にあるわけです。

アストロサイトの形と機能
 アストロサイトという名は、“星のような”という意味をもっています。
 脳のつくりや細胞の形を観察するためには、ゴルジ法という銀化合物を使った特殊な方法で染め、顕微鏡を用いて調べます。
 光学顕微鏡で観察されたグリア細胞は、小さな細胞体から太い幹とそこから放射状につき出している突起をもっていました。これが命名のもとになりましたが、電子顕微鏡の時代となりグリア細胞の種類ごとの形や機能への認識にも変化が生じました。

 超高圧電子顕微鏡法という技術も導入されてあらわれたアストロサイト像は、驚くほど複雑に枝分かれした無数の微細突起を四方八方に伸ばしていて、ニューロンの樹状突起や軸索や細動脈などを包みこんでいるというものでした。
 アストロサイトと血管とが接している部位には、エネルギーづくりに欠かせないブドウ糖をとりこむ装置(グルコーストランスポーター、GLUT1)が用意されています。
 この装置でとりこんだグルコースをいったん乳酸に変えて、MCT(モノカルボン酸トランスポーター)によりニューロンに渡します。この乳酸を運ぶトランスポーターは、ニューロン側にも発現しています。
 ニューロンにはGLUT3とよばれるグルコーストランスポーターもあり、直接にグルコースのとりこみをしますが、必要量の半分ぐらいはアストログリアによって使い易い形に変換されたものが供給されるしくみです(図参照)。
 アストロサイトは、グルコースをグリコーゲンにして貯蔵し、ニューロンの要求度にあわせてこれを分解し供給します。

三者間シナプス説
 アストロサイトは表面積が大きく、うすい膜をひろげたような状態でニューロン網のすき間に詰めこまれていることが観察されていて、1個のアストロサイト は14万個ものシナプスとの接触点をもっていると報告されました。シナプスの60~90%は、アストロサイトの微細突起と密に接していることがわかりまし た。そしてアストロサイトがシナプス機能を調節していると考えられるようになったのです。
 シナプスは、シナプス前ニューロンとシナプス後ニューロンとでつくられている構造で、神経伝達物質が両者間を渡ることで情報が伝わることをご存じでしょう。
 ここにアストロサイトが加わってのシナプス機能という考え方が生まれ、「3者間シナプス説」が提唱されました。
 アストロサイトには、グルタミン酸やアセチルコリン、ヒスタミンなどの生理活性物質の受容体があり、それに反応したり遊離したりして、情報伝達機構に加わっているというのです。

 主要な興奮性伝達物質として、中枢神経系の3分の1に作用を及ぼしているグルタミン酸は、ニューロンに過剰な刺激を与えると死に追いやる毒としてはたらく一面をもっています。そこで神経伝達が終わったのちは、すばやく除去しなければなりません。
 通常、グルタミン酸は必要量を上まわって出されており、その処理にアストロサイトが受容体を介してとりこみ、グルタミンに変えて貯蔵します。そして ニューロンを刺激する興奮性伝達物質として再利用されることがわかりました。左図は三者間シナプスの模式図で、アストロサイトがつくる伝達物質はグリオト ランスミッターとよばれ、ATPやセリンなどがあります。
 ATPは抑制性伝達物質として作用して睡眠をひきおこし、セリンは記憶にかかわるシナプスの長期増強現象をひきおこすなど、脳機能調節を担っています。

髄鞘化を担う細胞
 ニューロンは、他のニューロンへと信号を伝えるための長い電線のような一本の軸索をもっています。シナプスはこの軸索の先端にあります。
 多くの軸索にはミエリン鞘という絶縁体が巻きつけられていて、これによって効率よく信号を伝えることができるようになっています。
 髄鞘をもつニューロンは有髄神経といわれ、ミエリン鞘を形成することを髄鞘化といいます。そして髄鞘化を担う細胞がオリゴデンドロサイトです。
 オリゴデンドロサイトは19世紀の半ば、顕微鏡下で見つけ出されてアストロサイトより突起の少ないグリア細胞という名がつきました。“オリゴ”は少ない、“デンドロ”は突起あるいはとがった部分という意味です。
 有髄神経の軸索を輪切りにしてみた電子顕微鏡の画像から、軸索に幾重にも細胞膜が巻きつけられている構造がわかります。
 巻きついている細胞膜は、オリゴデンドロサイトの突起部分ですが、重なりを維持してつくり上げるのに糖タンパクが必要です。
 髄鞘は虚血による傷害を受けやすく、脱髄を招くことがあります。虚血はオリゴデンドロサイトを損傷し脱落させ、新しい細胞によって髄鞘化がすすまないと、脱髄がおこり神経機能が低下してゆきます。
 「多発性硬化症」は、代表的な脱髄疾患で、ミエリン鞘のタンパク質に対する自己免疫病として知られています。

脳内の免疫担当細胞
 中枢神経系内の細胞数の約10%を占めているミクログリアは、脳内免疫システムの構成員です。血液脳関門によって脳内へはいれないマクロファージに代ってはたらいています。
 マクロファージに似た形や機能をもつのは活性型ミクログリアで、死んだ細胞やこわれた細胞成分などを除去する食作用を行います。
 ニューロンがこわれると、大量のATPが流れ出ます。ミクログリアはATP受容体を備えて、ATP濃度を手がかりに移動してゆき、炎症性サイトカイン放出などの免疫反応をおこします。
 アルツハイマー病などのシナプスがこわれた状態になる神経疾患では、ミクログリアが活性化しています。
 活性型になる前のミクログリアも、突起をのばして定期的に接触してチェックしたり、アポトーシスした細胞の除去をしたりなど、脳のセンサー細胞としてホメオスタシスに役立っています。
 活性型ミクログリアは、βアミロイドやインターフェロンなどの刺激によって、活性酸素やNOやTNF-α(傷害性サイトカイン)、グルタミン酸、ヒスタミンをつくるなどして神経傷害因子となる一面もあります。
 神経保護作用と傷害作用のバランスは、疾患の慢性化や老化によって変化すると考えられており、ミクログリアを過剰に活性化させる慢性炎症が鍵になります。

神経疾患とグリア細胞


統合失調症の場合
 かつては精神分裂病とよばれていた「統合失調症」や「うつ病」は機能性障害に分類され、血液や脳波を調べても、脳の異常はつかめません。
 統合失調症には、幻覚や妄想などの症状があらわれる陽性タイプと、自閉や活動性の低下といった陰性の症状を示すタイプとがあります。陽性タイプの症状 は、覚醒剤の使用との共通点から神経伝達物質ドーパミンの過剰が原因と考えられましたが、それを抑える目的で投与される薬物は、陰性タイプでは効果のない ことが知られていました。
 ついで細胞内へカルシウムを流入させるようにはたらくグルタミン酸の受容体の活性低下がクローズアップされました(統合失調のグルタミン酸仮説)。
 死後脳サンプルを用いたプロテオーム解析によって、量的にも質的にも明らかに低下していたタンパク質が8種類あり、そのほとんどはアストロサイトの構造に関係するものということがわかりました。
 脳の各部位での遺伝子発現をDNAチップを用いて調べた結果も、機能性障害を発症している脳では、グリア細胞関連のmRNAやグリア増殖因子のmRNA異常が示されました。
 グリア増殖因子は、アストロサイトがつくっており、オリゴデンドロサイトの分化成熟に欠かせません。
 グルタミン酸を神経伝達物質としているニューロンは、ドーパミンを出すニューロンに対して二通りのはたらきかけ(促進あるいは抑制)をしているという説 も出てきました。そこで統合失調症では、陽性タイプでも陰性タイプでもグルタミン酸がかかわっていると考えられるようになりました。
 グルタミン酸仮説は、通常はグルタミン酸によるドーパミンニューロンの過剰活動の抑制が行われており、グルタミン酸ニューロンが促進作用に傾くと、抑制がきかなくなって陽性症状が生じ、さらに進行すると脳全体の活動が低下して陰性症状に至るというのです。
 アストロサイトのグルタミン酸とりこみ機能は、神経変性疾患にも関係しています。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)
 大脳、小脳、脊髄などで、主として中年以降にニューロンの障害や脱落がおこり進行する疾患は、神経変性疾患とよばれており、アルツハイマー病、パーキンソン病と並んでALSはその代表的なものとなっています。

 ALS は、脊髄運動ニューロンだけが選択的に脱落、筋肉が萎縮してゆきます。
 ALSの発症は、大半が遺伝性ではないものの、家族性の例もあり、その研究からSOD1(スーパーオキサイドディスムターゼ1)遺伝子の変異が見出されました。
 SODは活性酸素除去酵素ですから、その変異による酸化ストレスが原因かと思われましたが、SOD1ノックアウトマウスに運動ニューロンの脱落はおこらないことがわかりました。
 変異SOD1の蓄積が小胞体ストレスを招き、それにグルタミン酸毒性や酸化ストレスが加わってアポトーシスに関連する酵素カスパーゼが活性化されるという図式が考えられました(右図)。
 ニューロンが変性・脱落したところには、ミクログリアが多く集まって、貪食作用を発揮します。アストロサイトも増えています。
 グルタミン酸を回収する役割をもつアストロサイトで、グルタミン酸トランスポーターが減少していることや、NOの産生が異常になっていることなどが報告されています。
 炎症をひきおこす遺伝子群の発現が、ニューロン変性のかなり初期からおこっているという報告もあります。
 脊髄中でのカスパーゼの活性化が、グリア細胞の放出するサイトカインに誘導されることもあり、ALSの発症にはニューロンとグリア細胞の相互作用という観点が必要になっています。

異常タンパク蓄積
 アルツハイマー病ではβアミロイドやタウタンパク、パーキンソン病ではαシニクレイン、ALSにおけるSOD1、脊髄小脳変性症ではポリグルタミン鎖異常伸長というように、原因と考えられている遺伝子産物が異常タンパク質として蓄積し、小胞体 ストレスがひきおこされています。
 ニューロンとアストロサイト、ミクログリアの間では、ATPが神経伝達物質としてはたらき非常事態に対応するので、虚血や血流低下はリスクになります。

メグビーインフォメーションVol.372「グリア細胞の世界」より


www.megv.co.jp/web.php メグビーさんちより転載しました。

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