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★分子栄養学(三石理論): 痛覚のメカニズム

痛みを感じる
 生体の維持には、環境の変化を感じとって適切に対応するしくみが欠かせません。
視覚や聴覚をはじめとする感覚は、それぞれに重要な役割をもっていますが、生体を損傷する侵害刺激には“痛みを感じとる”機能がはたらきます。病気や外傷にともなって生じる痛みは、からだの異常を知らせる警告のシグナルということになるでしょう。
 国際疼痛学会は「痛みとは、不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものとがある」と定義しています。
 すなわち痛みには感覚と情動という要素があるというのです。
 痛みという感覚は、全身にある侵害受容神経の興奮をひきおこす痛み刺激受容体群への熱や発痛分子による刺激ではじまります。
 ヒトの皮膚を43℃以上に加熱したときや、15℃以下に冷却したとき、強い機械的刺激や化学物質の接触により痛み感覚が生まれます。皮膚にはこれらの刺 激に対する特殊な受容体タンパクがあって、その興奮が電気信号を生じ、脊髄を経由して大脳皮質の体性感覚野に伝わると、痛み感覚となります。


侵害受容器
 皮膚だけでなく、内臓や関節や筋肉などにひろく分布している“ポリモーダル侵害受容器”は、いろいろの比較的弱い刺激に反応します。 ポリ(poly) は多くの、モード(mode)は様式という意味で、この名が示すようにひろく侵害性の熱・化学・機械的刺激に反応するのです。

 組織の傷害には炎症がともない、熱刺激や腫れによる機械刺激によりポリモーダル受容器を活性化させます。ブラジキニンやプロスタグランディン、ヒスタミンといった炎症性分子は、化学的刺激を与えます。
 ポリモーダル受容器が活性化する温度の閾値は、炎症によって体温以下(32℃~35℃)に低下するため、活性化しやすいことがわかりました。
 侵害受容器には、皮膚に多く分布していて、とくに機械的刺激に対して活性化する“高閾値機械受容器”があり、手足をぶつけたときなどにただちに生じる急性痛(一次痛)を生じさせます。
 高閾値機械受容器が受けとった情報は、脊髄から視床の外側部(感覚神経が集まっている)を経由し、大脳皮質の体性感覚野にはいります。瞬間的におこる一次痛は、この体性感覚野で感じているのです。
 急性痛には、しばらくしておこってくる二次痛がありますが、これはポリモーダル受容器によって生じます。
 ポリモーダル受容器からの情報は、脳幹の各部位を経由してから視床で内側部にはいります。そして情報の大部分が大脳辺縁系の扁桃体へとどきます。
 扁桃体はいろいろの情動反応にかかわっていることが知られており、侵害性情報により負の情動(嫌悪など)反応を生じます。
 上図のように、一次痛と二次痛とは異なる経路で脳へゆき、痛覚と情動とをひきおこしているのです。
 侵害受容情報を伝える神経細胞システムではサブスタンスP、グルタミン酸、ソマトスタチン、ATPなどが神経伝達物質の役割を分担しているとされています。

急性痛と慢性痛症
  急性痛のメカニズムは、1980年代後半に明らかになったものの、それだけでは痛みについてのふしぎな現象を説明することができませんでした。
 組織が修復されたのちも痛みがつづいたり、検査しても原因がみつけられないのに痛みがあったり、異痛症(アロディニア)や幻肢痛の存在などについての研究はおくれてはじまりました。
 アロディニアは、通常では触れただけの感覚がはげしい痛みとなっているので、衣服がこすれても、空気の流れだけでも激痛をひきおこすというものです。
 幻肢痛は、手術などで失われて現実には無いはずの手や足の痛みを感じます。
 やがて、急性痛とは異なるメカニズムで発症する痛みとしての慢性痛症という見方が確立されました。
 慢性痛症は、痛覚神経システムでの混線や異常な変化から記憶される病態であり、急性痛が継続している慢性痛とは区別されています。
 関節リウマチや進行ガンなどの痛みは、長期間つづいていても、病因が存続しているもので急性痛とみなされるのです。この場合は受容器への刺激がつづいて いるので、神経伝達経路のトラブルではないというわけです。そして慢性痛症では、急性痛には効果のある抗炎症薬が有効ではありません。
 プロスタグランディン合成を抑えるステロイドや非ステロイド性抗炎症薬が、急性痛への薬物療法として用いられています。

痛覚神経の可塑的変化
 ゴムボールを指で押したときに生じる歪みは指をはなせば元にもどります。それに対してやわらかい粘土の塊を同じように押した場合は、指のあとが残ります。
 この例のように、外力が加えられたときに生じる変化が、その力が除かれても残る性質を可塑性といいます。
 痛覚神経は可塑性をもっていて、炎症や虚血や強い痛み刺激が可塑的変化を生じさせるとされています。
 脊髄のなかで、感覚神経や交感神経と独立している痛覚神経が相互作用するよう変化することがわかりました。痛みという警告信号によりからだは心拍数を増 加させたり血圧を上げたりなど、交感神経系を活動させます。慢性痛は警告シグナルの意味はないのですが、痛覚神経細胞に交感神経が放出する神経伝達物質の 受容体を新たに発現させることが確かめられました。

痛みと温度の関係
 ヒトの味覚は甘味、塩味、うま味、酸味、苦味の五種が基本で成りたっており、舌にある味受容体(味蕾)にまで伸びている味神経でそれを感じとっています。
 ところがトウガラシを食べたときのような辛い味は、別の感じ方をすることがわかっています。トウガラシの辛味成分であるカプサイシンは、感覚神経にある受容体を刺激し電気信号に変換され、痛みと同じメカニズムで脳に感覚を生じているのです。
 カプサイシンは辛味だけでなく、痛みもひきおこすことがわかりました。さらに温度のセンサーでもあることが知られ、研究がすすみました。
 痛みと温度との間には密接な関係があります。打撲傷を受けたとき用いられる鎮痛スプレーは冷やすことで痛みを感じにくくします。
 カプサイシン受容体につづいて、ミントの主成分であるメントールの受容体が発見されました。メントール受容体は、冷たいという感覚を生じる温度センサーで、日常薬として用いられる鎮痛剤に配合されています。

痛みとグリア細胞
 痛み神経そのものが損傷されて、モルヒネの鎮痛効果も及ばないはげしい痛みを発生させている病態は神経因性疼痛または神経障害性疼痛といわれます。
 神経因性疼痛の多くは、神経傷害の原因となった病変が治癒したあとにつづくもので、心因性(気のせい)と診断されるケースがあります。
 心因性疼痛は、身体的な原因が明らかでないものを指しています。
 中枢神経系(脳・脊髄)には、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアの3種のグリア細胞が存在します。
 近年、グリア細胞の研究がすすみ、それぞれが機能を分担して神経回路のホメオスタシスを維持しており、その破綻が多発性硬化症や統合失調症などの精神・神経疾患をおこすという見方が登場してきたのです。
 神経細胞が損傷されると、内部から大量のATPがばらまかれ、ミクログリアをよび集めるシグナルになります。ミクログリアはこわれた細胞を食べて処理します。
 脳内の異変は、アストロサイトやミクログリアに炎症性サイトカインやNOや活性酸素の生成などの免疫反応をおこさせます。このときミクログリアの作用が、痛覚の抑制システムを異常にし、神経因性疼痛の原因になっています。

身近な痛みへのアプローチ


よくある頭痛
 CTスキャンやMRI検査をしても、脳には異常がないという頭痛は一次性または機能性頭痛といわれ、なかで日本人に多いのは緊張型頭痛(筋収縮性)頭痛です。
 緊張型頭痛は、文字通りデスクワークなどの仕事からくる緊張と疲労によりおこり、頭を支えている筋肉が過度に収縮しており、首や肩の重苦しさをともなうことが少なくありません。

 ふつう緊張型頭痛では、後頭部全体に重苦しさや締めつけられるような痛みがつづきます。
 交感神経の過活動から、血管が収縮し血流が悪くなると、筋肉組織は低酸素ストレスに見舞われ、乳酸がたまって局所のアシドーシスが生じます。pHの低下 は痛み刺激の閾値を下げます。細胞内からカリウムイオンが出てきて、神経を刺激し、筋肉をさらに収縮させ血液の循環を悪くするという「痛みの悪循環」をつ くってゆきます(上図参照)。
 繰り返しおこる頭痛には、片頭痛や群発頭痛があります。
 片頭痛という病名は、頭の片側におこるという意味ですが、両側や左右交互という場合もあります。女性に多く、拍動性の痛みが数時間から2日ほどつづきます。
 そのメカニズムには血管拡張が関係しているといわれ、血管収縮作用をもつセロトニンが急激に増えたあと、その減少するプロセスで血管が拡張し、痛みをひきおこすと説明されています。赤ワインやチーズの摂取が発作の引き金になることがあります。
 片頭痛が女性の病気といわれるのに対し、男性に多いのが群発頭痛です。突然に発作がはじまり1~2時間ほどで治まるものの目の周囲や側頭が激しく痛みます。頭の痛みから三叉神経痛とまちがわれることがあります。
 三叉神経は顔の表情(運動)をつくる神経で額やあごに分布しており、片側性に激しい痛みをおこすのが三叉神経痛です。
 日常的な痛みに対して市販薬を過剰に服用しつづける薬物乱用頭痛が問題になっています。

鎮痛薬による頭痛
 鎮痛薬を連用することにより頭痛がおこるようになることがあり、薬剤誘発性頭痛といわれます。
 国際頭痛学会が定めている基準では、“薬物を3ヶ月以上毎日服用したあとに出現し、慢性的で薬物を中止すると1ヶ月以内に消失するもの”とされています。
 薬剤の血中濃度が低下する早朝や起床時におこりやすく、このためにまた鎮痛薬を服用してしまうという悪循環になってしまいます。
 そこで慢性痛での鎮痛薬服用は、1ヶ月に10日以内にとどめるのが望ましいとされています。

内臓と痛みの関係
 痛みを伝える神経線維は2種あって、瞬間的な激しい刺激(急性痛)はAδ(エー・デルタ)線維、そのあとの持続的な痛みはC線維が脊髄へ伝えます。
 痛み受容器は内臓には少ないので、皮膚のような痛みは感じません。胃や腸の痛みは、平滑筋の収縮が原因になっています。
 胆石や尿管結石の痛みも、平滑筋の強い収縮がおこしています。
 痛みを伝える神経は、脊髄のなかで他の神経線維と交叉し、内臓からの信号が強いとその部位の痛みと感じてしまうことがあります。これは関連痛とよばれているもので、胆石では右肩から右肩甲骨のあたりにおこります。
 内臓に病変や異常があっておこる痛みが内臓痛です。
 内臓と脊髄の関係では、ガンの脊椎への転移による痛みが知られています。
 例えば肺ガンでは、肺そのものには痛みの感覚はありませんが、ガンが進展すると肺を包んでいる肋膜や肋間神経が侵され、呼吸のたびに痛みます。脊椎へ骨転移すると骨がこわされて脊髄が圧迫されます。それが激痛やマヒなどの症状の原因になります。

痛みとかゆみ
 かゆみの感覚は、かくなどの動作をひきおこし、それによって快感を生じる生体防御感覚とされており、皮膚表層やそれに隣接した粘膜におこります。
 かゆみ刺激は、痛み刺激と同じく皮膚のポリモーダル受容器であるC線維により伝えられています。
 かつてかゆみは痛点への弱い刺激でおこるものと考えられましたが、やがてC線維のなかにかゆみ刺激にだけ反応するものがあることがつきとめられました。
 1本のC線維が痛みにもかゆみにもかかわるとするのが「パターン仮説」で、新しい仮説は「特異受容仮説」といわれます。
 ヒスタミンは、古くから代表的な起痒物質として知られており、それを皮内注射すると局所にかゆみを生じます。
 同じようにしてヒトの皮膚にかゆみを生じさせる物質がいろいろあります。神経ペプチドのサブスタンスPやプロスタグランディンやセロトニンなどで、一酸化窒素(NO)はかゆみの増強因子として作用するといわれています。
 アトピー性皮膚炎のように慢性化するかゆみでは、慢性痛と同じような知覚伝達路での可塑的変化があると考えられています。
 組織の損傷や炎症によりマスト細胞や血小板から放出されるセロトニンが、受容体を介してかゆみや痛み刺激への過敏性を増加させているというのです。痛みとかゆみの密接な関係の解明はこれからといえるでしょう。

メグビーインフォメーションVol.370「〈痛み〉のサイエンス」より


www.megv.co.jp/web.php メグビーさんちより転載しました。
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