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★分子栄養学(三石理論): フリーラジカルと活性酸素

元素と原子と電子
 古代ギリシアの哲学者は、自然界を成りたたせている基本は、アトム(原子)であると考えていましたが、その実体がつきとめられたのは、20世紀の量子力学に到達してからでした。
 18世紀の末頃から、物質をつくる元素が発見され、それらの間で化学反応がおこることがわかり、元素の構造が追求され、原子・分子の構造が理解されるようになりました。
 原子は中心にある原子核と、“その周囲をとりまく軌道上の電子とでできている”というのが簡単な説明ですが、電子は原子核のまわりにひろがって存在しており、決まった位置にはなく、電子雲と表現されています。
 原子構造論で有名なデンマークのニールス・ボーアは“原子核のまわりの電子は、いくつかの層(電子殻)をつくっている”と考えました。
 電子殻は電子がはいる軌道をまとめたもので、電子はエネルギーの低い軌道から順にはいってゆきます。原子核に近い軌道のエネルギーレベルは低く、外側ほ どエネルギーが高くなります。電子はマイナスの電荷をもち、プラス電荷をもつ原子核に引きつけられています。原子核からひきはなすには、引きつける力に応 じたエネルギーが必要というわけです。
 1個の軌道には電子は2個しかはいれないという規則(構成原理)があります。
 いろいろの原子での、軌道への電子のはいり方を原子配置といいます。
 電子殻のなかで、もっとも外側にある最外殻の電子は、化学結合にかかわる電子という意味で“価電子”とよばれています。
 水素やナトリウム、カリウムの価電子の数は1、マグネシウム、カルシウムは2、炭素では4、リンは5、酸素、イオウは6となります。

電子と化学結合
 原子と原子の結合を化学結合(chemical bond)といいます。
 原子はそれぞれに、他の原子と結合できる手を示す数値をもっています。それが原子価で、ふつう水素の1を基準にして決めています。水分子(H2O)は、酸素原子Oが2本の手を出して、2個の水素原子Hが1本ずつ出した手と結合しています。
 炭素原子は価電子を4個もち、4本の手で他の原子と結合します。
 軌道にはいるとき、電子は2個ずつというルールがあるので、電子の総数が奇数の原子では対になれない電子が生じています。この状態の電子は不対電子とよばれており、不安定なので反応をおこしやすくなっています。
 不対電子をもつ原子や分子をフリーラジカル(または簡単にラジカル)といいます。
 ラジカルという語は“過激な”という意味で用いられるように、フリーラジカルはその反応性によって他の分子に有害にはたらくことがあります。フリーラジカルは日本語では遊離基です。

ラジカル反応
 化学反応では、結合を切断し原子を再配列します。

 結合の切断によってフリーラジカルが生じる反応が少なくありません。
 有機化合物が熱によって燃えるときや、紫外線のような光の照射で分解するときなどに、ラジカルが生成して反応がすすみます。このような反応を“ラジカル反応”といい、通常は強いエネルギーによって開始されます。
 原子Aと原子Bの間に、価電子の共有による結びつき(共有結合)があるとき、紫外線の強いエネルギーが加えられるとAとBが共有していた電子対が切断されてしまい、AとBに1個ずつ電子が残った状態になります。
 強い力で切りはなされた電子は、対になる相手を求める欲求が大きく、周辺の原子や分子を攻撃して奪いとろうとするのです。
 その標的には、核酸や糖やタンパク質などの生体構成分子がありますが、なかでも生体膜の主要成分である不飽和脂肪酸に生じる過酸化反応は連鎖的に進行して細胞や組織を傷害し、さまざまな病気の発症リスクになっていきます。
 しかし生体はそれに対して無防備ではなく、フリーラジカルの生成を抑えたり、生成したフリーラジカルはすみやかに消去したりして対抗する機構を備えています。
 また生体はフリーラジカルを、シグナル伝達分子として活用しており、生成と制御のバランスを保っています。しかしそのバランスがくずれると“酸化ストレス”がひきおこされます。

酸素とラジカル
 酸素という元素は反応性が高く、さまざまな物質を“酸化”します。
 酸素はそれ自体がフリーラジカルのひとつです。酸素分子は2個の酸素原子が結合してできています。このとき特殊な形で結合して、分子中に2個の不対電子 をもつようになります。このような分子は“ビラジカル”とよばれ、強力ではないもののラジカルな性質を備えています。大気中の酸素はこの状態(三重項基底 状態)で、鉄を酸化し錆を生じさせます。
 酸素分子中の2個の不対電子が、外からエネルギーを与えられてペアになった場合、一重項酸素(1O2)になります。
 一重項酸素では不対電子は消えても反応性は大になり、相手の化合物の電子密度の高いところに付加する性質が生じます。体内ではコレステロールや不飽和脂肪酸の二重結合部に付加してヒドロペルオキシドを生じさせます。
 一重項酸素は不対電子がないので非ラジカルですが、酸化活性が高まった酸素なので活性酸素のなかまというわけです。
 同じようにして過酸化水素(H2O2)も非ラジカルの活性酸素になります。
 不対電子をもっていないがラジカルな性質を示すものにオゾン(O3)や次亜塩素酸(HOCl)があります。

活性酸素の発生と標的
 体内では酸化酵素がはたらくミトコンドリアの電子伝達系や小胞体の電子伝達系、好中球やマクロファージの活動、アラキドン酸代謝、炎症、赤血球のヘモグロビンの変性など、さまざまな生理現象にともなって活性酸素が発生しています。

 正常な代謝のプロセスでもつねに活性酸素が発生しており、虚血や炎症、感染、外傷などのストレスはそれを増加させます。
 放射線、紫外線、薬物摂取、重金属などが外因性の活性酸素発生源になります。
 活性酸素およびフリーラジカルは、生体分子の傷害因子として酸化ストレスを生じさせます。
 なかでも生体膜の機能を支える構造脂質である不飽和脂肪酸はラジカルに弱く、脂質過酸化反応が連鎖的におこり過酸化脂質(脂質ヒドロペルオキシド)をつくります(右図)。
 連鎖的脂質過酸化反応は、膜構造をこわし、膜タンパクを変性させます。これが食品中でおこると脂質ラジカルを生成し、“自動酸化”がはじまり、食品を劣化させます。
 そこで窒素充填や真空包装により、自動酸化を防ぐ方法が食品に用いられています。
 タンパク質構成アミノ酸のうち、メチオニン、ヒスチジン、シスチン、チロシン、トリプトファンがラジカルによる傷害を受けやすく、そのためタンパク質の重合や架橋結合の変性、酵素タンパクの不活性化などの原因になります。
 糖タンパクや糖脂質のもつ糖鎖が傷害されると、細胞のシグナル伝達システムがこわれてしまいます。細胞外マトリックスの主要分子である多糖体(ヒアルロン酸)が攻撃を受けると重合し、関節や水晶体の機能が損なわれます。
 核酸では、DNA分子の塩基が遊離したり、リボースの酸化分解、DNA鎖の切断などにより、発ガンや老化の促進因子となります。

ガス状ラジカル
 1個ずつの酸素原子と窒素原子が結合している一酸化窒素(NO)はガス状分子で、ラジカルのなかまです。生体内ではNO合成酵素によって、アミノ酸アル ギニンからつくられ、血管の弛緩や、血小板の凝集・粘着を抑制して血圧と血流の調節や血栓予防に重要な役割をもっています。
 NOは、標的タンパク質のシステインやチロシンに作用して、細胞内シグナル伝達の経路を切りかえるスイッチとしてはたらきます。それによって細胞の環境に応じた反応を引き出すのです。
 NOには脳で発見された神経型および炎症性サイトカインで誘導される誘導型と、循環系ではたらく内皮型の3つのタイプがあります。
 NOはスーパーオキサイドと出会うと瞬間的に反応して、毒性の強いペルオキシナイトライトに変化します。
 野菜にふくまれる硝酸塩は、口中の常在菌により硝酸となり、胃へ運ばれNOを生じます。

レドックス制御と酸化ストレス


レドックスと活性酸素
 レドックス(redox)は、還元(reduction)と酸化(oxidation)との合成語であり、細胞機能の制御にひろくかかわることから“レ ドックス制御”として研究されてきました。かつて活性酸素は代謝や免疫反応の副産物として出現し、酸化ストレスを発生させるマイナス因子と見なされてきた 歴史があります。
 しかし生体は合目的的に活性酸素をつくっていて、細胞の増殖・分化、細胞死(アポトーシス、ネクローシス)などの生命現象を抑制するシステムに組みこんでいることがわかってきました。
 生体が必要とするタンパク質は、DNA上の遺伝子を転写し複製するというしくみでつくられることをご存じでしょう。このシステムは転与因子によって調節されていますが、そこに活性酸素がはたらいているというのです。
 レドックス制御とは、酸化還元反応を介した細胞機能の制御をいいます。
 レドックス制御におけるシグナル分子となるのがスーパーオキサイドと過酸化水素です。

酵素作用と酸化ストレス
 好中球やマクロファージが病原微生物を殺すとき、活性酸素スーパーオキサイドを発生させる酵素(NADPH酸化酵素)がはたらきます。
 この酵素はニコチン酸の誘導体であるNADPHから酸素分子へと電子を運ぶ仕事(電子伝達)を担い、酸素分子を還元してO2を生成し、そのときNADPHが酸化されるので、NADPH酸化酵素とよばれています。
 この酵素のなかまは、血管平滑筋や大腸、腎臓、脾臓、甲状腺、気管支、リンパ球などいろいろの組織・器官に多く、感染予防ばかりでなく、甲状腺ホルモン合成を介して全身の代謝システムにも影響を与えます。
 核酸塩基プリンの代謝で、ヒポキサンチン→キサンチン→尿酸という経路ではたらく酵素がキサンチン酸化酵素です。
 この酵素がスーパーオキサイドをつくることや、それを消去する酵素(スーパーオキサイドディスムターゼ、SOD)が存在することが1960年代に発見されました。
 生体はSODばかりでなく、カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼといった抗酸化酵素やグルタチオンなどの低分子抗酸化物質によって活性酸素の害作用を抑制しつつ、他方で生理活性を利用しているわけです。

酸化ストレスとゲノム

 体内では右の図のような活性酸素生成がおこっており、これに対して抗酸化機構を備えていますが、そのバランスが維持できず、酸化力が優位になった状態がつづくと、酸化ストレスが出現することになります。
 酸化ストレスは、炎症や虚血、腫瘍化、免疫異常や神経変性などの病態にかかわり、老化の促進因子として認められています。
 酸化により変化した生体分子は“酸化ストレスマーカー”として計測、分析されることになりました。

ヘムとCO
 細胞へのフリーラジカルの攻撃や、栄養飢餓や低酸素などのストレスは、それに対応する遺伝子群を発現させます。そのひとつがヘムオキシゲナーゼです。
 ヘムオキシゲナーゼはヘムを分解して、一酸化炭素(CO)、ビリベルジン、鉄イオンを生じさせます。
 ビリベルジンは還元酵素によってビリルビンに還元されますが、どちらも強力な抗酸化機能をもち、体内で生じた活性酸素を消去し、その活性はビタミンEに匹敵するとされています。ビリルビンは新生児黄疸の原因物質として、古くから知られていました。
 骨髄で日々新生されている赤血球は、ヘム合成のための鉄をリサイクルでまかなっています。
 COは臓器における血流の調節や抗炎症作用、抗アポトーシス作用で知られています。COはラジカルではありませんが、NOと同じようにレドックス制御に参加するなかまです。

活性窒素とレドックス制御
 大気汚染物質として有名になった窒素酸化物はまとめてノックス(NOx)といわれます。そのうちのNO(一酸化窒素)やNO2(二酸化窒素)は不対電子をもっています。
 NO2は“ニトロ基”とよばれ、チロシンやトリプトファン、リノレン酸、γトコフエロールなどをニトロ化物に変えます。

 なかでもヌクレオチドのニトロ化が研究されています。
 右図にあるように、グアニンヌクレオチドのニトロ化は、レドックス制御のシグナルとしてはたらき、細胞を保護します。細胞レベルの実験では、グルコース 飢餓状態で培養するとアポトーシスする細胞が、ニトロ化したグアニンヌクレオチド(ニトログアノシン)の添加により生き延びると報告されました。
 NOとO2からのONOO-(ペルオキシナイトライト)の生成反応は、O2とSOD(スーパーオキサイド除去酵素)との反応速度よりはやいため、NOとO2が共存すると必ずONOOがつくられます。この物質は、ヌクレオチドをニトロ化して変異させる作用がありますが、生理的なpHでは水素と結合して硝酸イオンへと変化します。
 O2の存在するところでNOが生成した場合、NOによるO2の消去により、酸化ストレスが軽減されるという考え方もある一方で、それが生体内で増殖する感染ウイルス遺伝子の変異を促進しているという説があります。
 レドックス制御では、活性酸素や活性窒素やヘムおよび鉄イオンがこのように複雑な相互作用によりシグナル伝達経路を構成しているのです。

メグビーインフォメーションVol.369「フリーラジカルと生体」より


www.megv.co.jp/web.php メグビーさんちより転載しました。



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