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★分子栄養学(三石理論): わかってきたガン細胞の特性

複雑な細胞ガン化
 ガンという疾患に関心をもつ人は多く、遺伝子変異の蓄積によりつくられるという知識は、いまや常識になっています。
 DNA研究がすすんで、ガン遺伝子やガン抑制遺伝子が発見され、いろいろな 物質の変異原性がテストされ、ガン化した細胞がつくるタンパク質をターゲットにした分子標的薬が開発されるといったガン克服へ向かう努力が、国際的にすす められてきましたが、生命の複雑性に立脚したガンの多様性に道をはばまれているのが現状といえましょう。
 同じ組織に生じ、病理学的には同じと診断される腫瘍であっても、そのはじまりも進展にも多様性があり、治療法が確立されていません。
 遺伝子の変異には、1個の塩基が他の塩基にとりかわるもの(点突然変異)のほか、まとまって塩基配列が脱落する“欠失”や、他の染色体から遺伝子が移動 してきてはさみこまれてしまう“挿入”、ある遺伝子のコピーがふえてしまう“増幅”、そして染色体の一部が切り離されて移動する“転座”などの大がかりな ものもあります。転座は同一染色体内の場合もあり、他の染色体へ移ってゆく場合もあります。
 細胞増殖にともなうDNA複製でのエラーや、ウイルス、環境中の汚染物質のとりこみ、体内で変化して変異原性をもった化学物質などにより生じる遺伝子変 異ばかりではなく、DNA分子やヒストンのエピジェネティクス、さらには酸化ストレス、小胞体ストレス、アポトーシス、オートファジー、栄養素の代謝との かかわりなどの新しい視点がガン研究に加わってきました。

ガン細胞と代謝
 細胞内の物質変化を網羅的に測定する技術の進展によって、ガン細胞が示す代謝の特徴が明らかになっています。
 細胞の営む代謝は、加齢や薬剤の摂取や栄養条件によって異なってきます。ガン細胞は正常細胞と異なり“ワールブルグ効果”とよばれる特殊なエネルギー代 謝によりATPを得ています。たとえ酸素が不足していない環境でも、どんどんグルコースをとりこみ、解糖系がさかんになるのです。
 解糖系ではATPづくりの効率が悪いばかりでなく、乳酸が蓄積します。ガン細胞がなぜ解糖系を優先するのか、という問題はこれまで謎とされていました。
 最近の研究がその謎の解明にせまりつつあります。
 ガン細胞は、低酸素であるほど増殖能が高いのです。ガン細胞は急速に増殖するために、エネルギー物質だけでなく、核酸、タンパク質、脂質などの生体高分 子をどんどんつくらなくてはなりません。その素材としてのアミノ酸やヌクレオチド、脂肪酸などを代謝によって生合成する必要があり、そのために好気的な酸 化的リン酸化反応を抑え、解糖系をさかんにするという仮説が提出されています。

ガン細胞のエネルギー代謝
 ガン細胞ばかりでなく、正常細胞でも分裂・増殖のさかんな細胞はグルコースを大量にとりこみ、酸素を必要としない解糖系によりエネルギーを得ていることが知られています。
 解糖系(嫌気的解糖)は、好気的な酸化的リン酸化とよばれる代謝にくらべてATPの産生量が少ない一方で、反応速度は後者の数十倍であり効率の低さが補われています。
 さらにグルコース代謝の中間産物からは、可欠アミノ酸、脂肪酸および核酸合成に必須のリボースなどがつくられます。
 グルコースから生じるグルコース─6リン酸からペントース5リン酸回路とよばれる経路で、リボース─5リン酸が生じます。これがDNA分子を構成する2種の成分であるプリンヌクレオチドとピリミジンヌクレオチドの合成に用いられるのです。
 ATPづくりの効率でいえば酸化的リン酸化が有利ですが、核酸、タンパク質、脂質、糖鎖などの増殖用分子の生産では解糖系に及びません。
 ガン遺伝子・ガン抑制遺伝子の変異、低酸素、低pH、酸化ストレス、小胞体ストレスなどによって解糖系が亢進するといわれています。
 ガン細胞では、グルコースをとりこむトランスポーターが多くなっています。

グルタミンの役割
 増殖速度の大きい細胞では、栄養学上は可欠アミノ酸であるグルタミンが不可欠アミノ酸といわれる役割をしています。

 増殖にともなう核酸やタンパク質などの生体分子合成のために、グルタミンが動員されます。
 グルタミンは、グルタミン酸、アスパラギン酸、二酸化炭素、アラニン、ピルビン酸、クエン酸、乳酸へと分解され、その過程で炭素源や窒素源として多用されているのです。
 グルタミンは、グルコースのとりこみと、酸素が存在する環境での解糖をすすめる役割や、シグナル伝達にもかかわっています。
 グルタミンは、ガン細胞内にとりこまれて、ATPや細胞構成分子の確保に必須とされています。

ガン細胞の血管新生作戦
 急速に増殖するガン組織では、細胞はつねに低酸素、低栄養というリスクを負っています。そこで血管新生促進因子を分泌して、腫瘍の内部に血液を運ぶ通路 をつくらせようとすることがわかったのは1960年代でした。やがて血管新生抑制因子も発見されました。インターフェロン製剤が血管新生抑制の目的で投与 された時期もありました。
 血管新生は多段階的におこる現象で、血管内皮細胞やマクロファージや線維芽細胞との協調がないとすすみません。
 からだが低酸素状態になると、HIF1とよばれる転写因子が誘導され、低酸素関連遺伝子のスイッチを入れます。HIF1により発現する遺伝子は100種以上とされており、血管新生のほか、細胞増殖やアポトーシス、エネルギー代謝にもかかわっています。
 HIF1は、ガン組織に高率に出現しており、解糖系酵素やオートファジー関連遺伝子を活性化し、ガン代謝を環境(栄酸素・低栄養)に適応するよう変化させるのです。
 HIF1は低酸素のときには分解されないしくみなので、ガン細胞はそれに便乗していることになるでしょう。

オートファジーを利用する
 HIF1の作用のひとつに、オートファジーの促進があります。
 オートファジーとは、細胞が自ら構成成分を分解処理する機能で、細胞質に生じたタンパク質の凝集体や、変性した膜構造などを除去するしくみです。
 オートファジーは、細胞が栄養飢餓の状況になるとその活性が高まり、あえて自己の成分を分解して生じるアミノ酸や脂肪酸などを新たなタンパク合成やエネルギー源として再利用する、栄養素確保のために獲得された基本的な生理機能とされています。
 ガン細胞はこのしくみを利用して栄養物質を調達します。
 オートファジーで得られたアミノ酸は、脂質や糖の合成に回されて、ガンの生育に役立てられるというのです。
 ガンの多くが、オートファジーに依存していることがわかり、その抑制によるガン治療が考えられ、抗ガン剤や放射線治療とオートファジー阻害剤の併用による臨床試験がはじまっているというのですが、血管新生抑制と同じように、その実現は簡単ではないとされています。

小胞体ストレスとガン
 小胞体は、新しく合成されたタンパク質を正しくフォールディングして、糖鎖をつけるなどの修飾加工をする小器官です。
 この仕事が順調にすすまず、異常タンパク質が生じ蓄積した状態は小胞体ストレスといわれUPR(unfold protein response)とよばれる細胞応答がひきおこされます。そのひとつがオートファジーです。
 小胞体膜にセンサー役のタンパク質があり、通常は不活性ですが、異常タンパクが蓄積すると活性型になり、シグナル伝達系をはたらかせコーディングを抑制したりオートファジーを誘導したり、アポトーシスさせたりするのです。
 UPRの活性化によって、アポトース感受性の細胞が消え、残った細胞は耐性を獲得して増殖します。UPR活性の高いガン細胞は、多種類の抗ガン剤に耐性を示すと報告されています。
 UPRを阻害し、細胞のストレス応答を抑制するという新しい治療法が期待されています。

ガンの代謝と栄養物質


アミノ酸とガン代謝
 ガンの特性である異常増殖では、ATPの確保ばかりでなく、タンパク質や核酸、脂肪酸などの細胞構築成分の需要が高まっています。
 細胞は、親水性のアミノ酸をとり入れるために“アミノ酸トランスポーター”と総称される膜タンパクを用意しています。
 アミノ酸トランスポーターの研究は1990年代からはじまりました。
 やがて小腸壁や腎臓尿細管の上皮細胞で、管腔内と血管側とにトランスポータータンパクのあることがわかりました。
 そしてガン細胞では、アミノ酸トランスポーターが多く発現していることが知られてきたのです。
 アミノ酸トランスポーター分子には、約50の種類があります。ガン細胞はそのなかでも複数の不可欠アミノ酸のとりこみを受けもつトランスポーターや、とくにシスチンを運びこむトランスポーターなどが多くみられるというのです。
 シスチンは含硫アミノ酸システインが酸化されて生じますが、細胞内の抗酸化物質グルタチオンレベルを維持する役割をもっています。
 ガン細胞はシスチンを積極的にとりこんで、酸化ストレスへの抵抗性を高めて抗ガン剤に対抗します。
 中性アミノ酸を移送するトランスポーターは細胞内のグルタミンと交換の形で仕事をするので、グルタミンを運びこむ別のトランスポーターと複合体となって効率よくはたらくこともわかりました。

腫瘍細胞型トランスポーター
 中性アミノ酸トランスポーターは、正常組織では脳や骨髄や精巣などでmRNAが見出されるものの、タンパク質として存在する臓器はかぎられています。そして成人の肝臓では低レベルなのに胎児の肝臓では高いので、ガンの胎児性抗原といわれました。
 大腸ガン、肺ガン、前立腺ガン、胃ガン、乳ガン、膵臓ガン、腎臓ガン、咽頭ガン、食道ガン、脳腫瘍など、さまざまなガンの組織でこのトランスポーターが多く発現しており、ガンの悪性度と関連していることがわかっています。
 グルタミンをとり入れるトランスポーターは小型の中性アミノ酸(アラニン、セリン、システイン)なども運びます。そしてこのトランスポーターも大腸ガン、前立腺ガンなどに多いことや、そのレベルが高いと生存率が低いことが報告されています。
 ガン細胞のアミノ酸トランスポーターは、腫瘍細胞型トランスポーターとよばれています。
 腫瘍細胞型トランスポーターは、ガン診断のマーカーになり、さらにはこれをターゲットとしての治療法の開発が期待されています。

ガンと脂質代謝
 ガン細胞は、酸素を得られる条件のときにも解糖系によるエネルギー獲得を行うことが知られてますが、この場合には脂肪酸がエネルギー源になっていると考えられています。
 多くのガン細胞で、脂質の合成に関連する酵素の活性が高く、脂肪酸合成がさかんになることがわかってきたのです。
 低酸素で誘導され、飽和脂肪酸を合成する酵素は、乳腺や前立腺ではそれぞれの性ホルモン受容体が転写因子を介して発現を促進させます。乳ガンや前立腺ガンでは、腫瘍化の初期から多くなっており、ガン化の進展を助けています。
 ガン細胞で、細胞膜の飽和脂肪酸の割合がふえると、シグナル受容や代謝が変わります。
 ガン組織のなかのガン細胞は同一ではなく、それぞれが異なった代謝経路をもち、さらに変化させて生き延びてゆきます。
 抗ガン剤による治療を阻むガンの戦略といえるでしょう。

体内鉄の二面性
 生命はその誕生のときから鉄を利用し、進化しました。
 体内の鉄は、酸素を運搬・貯蔵するヘモグロビンやミオグロビンの活性を担う成分であり、カタラーゼやチトクロームなどの酵素の補助因子として不可欠であることもよく知られている必須金属です。
 一方で鉄イオンは“フェントン反応”によって最強の活性酸素ヒドロキシルラジカルを発生させるため、発ガンのリスク因子となることが知られています。ヒドロキシルラジカルはゲノムを傷害(DNA切断、塩基の修飾、重合)し発ガンのリスク因子になります。
 体内鉄の蓄積が発ガンに結びつくというデータが集められ、とくにウイルス性肝炎と肝ガン、アスベストによる中皮腫と肺ガン、子宮内膜症における卵巣ガンなどが報告されました。
 実験的に体内鉄過剰の状態にすると、実験動物にガンが生じるのです。
 鉄イオンは細胞外ではトランスフェリンに結合し、細胞内ではフェリチンにとりこまれており、ラジカル反応が抑えられています。また肝臓で合成されるヘプ シジンは、十二指腸からの鉄のとりこみを調節します。鉄のホメオスタシスが、これらのタンパク質によって維持され発ガンが抑制されるしくみです。
 鉄を構成成分とするヘムをもつシトクロムやカタラーゼ、ペルオキシダーゼなどのヘムタンパク質は、鉄イオンの特性によって活性酸素を処理する能力をもっており、カタラーゼとペルオキシダーゼが協力して、ヒドロキシルラジカルを生成させないようにはたらいています。

セレンによるガン予防

 必須の微量ミネラルであり、同時に毒性も強いという二面性はセレン(Se)にもあります。
 セレンは抗酸化酵素のグルタチオンペルオキシダーゼの活性の中心であり、酸化ストレスに対する防御作用で知られていますが、そればかりではなく、DNA を守りガン細胞の増殖を抑制する直接的な複数の抗ガン作用があるといわれるようになってきました。その場合の効果は最小必要量(ラットの餌での最小必要量 は0.1ppm)を超えた20~50倍の摂取量による薬理作用として示されたのです(右図)。

メグビーインフォメーションVol.368「Essential Molecular Nutriology 最新のガン研究」より


www.megv.co.jp/web.php メグビーさんちより転載しました。
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