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★分子栄養学(三石理論): ビタミンの特性と役割

13種のビタミン
 食物成分として摂取される栄養因子のうち、従来の栄養学において研究対象になってきたのが五大栄養素でした。
 五大栄養素のうち、糖質、脂質、タンパク質、とミネラル類以外の有機化合物がビタミンです。
 ビタミンは13種類ありますが、よく知られているようにその発見は約100年前にさかのぼります。
 その発見史は、脚気やペラグラ、壊血病、夜盲症、貧血、皮膚炎など、さまざまな病気とのかかわりから、その必須性に気づかれていったことを示しています。
 そのためか、それぞれに特徴的な病状があらわれない場合、各ビタミンの不足はないという考え方がないではありません。
 ビタミン類は、その生理的な必要量がミリグラム(mg)あるいはマイクログラム(μg)と微量です。そして必要量には遺伝的要因や、生分子レベルでみる 人体と生活環境においてのストレスや汚染物質、医薬品や嗜好品の存在、加齢、運動や食習慣などのいろいろの因子が影響するので、潜在的な欠乏状態を生じる 可能性は小さくないのです。
 さらに、13種類のビタミンの化学的性質や生体分子との相互作用などがわかってくると、その栄養ネットワークのなかでの位置づけによって、それぞれの摂取量への配慮が重要になってきました。

ビタミン類の特性
 13種類のビタミンは、9種類の水溶性ビタミンと4種類の脂溶性ビタミンに分類されていますが、それぞれの化学構造の成りたちに共通性はありません。
 共通する性質は不安定性です。ビタミン類はそれぞれの化学的性質から、熱や光や酸・アルカリなどで変性したり分解したりなどの弱点をもっているので、貯蔵や調理のしかたで食事による摂取量が変わる場合があります。

生体システムでの役割
 三石理論における重要なキーワードが“フィードバック調節”です。
 フィードバック調節とは、自動制御の形式であり、生物はこれによって環境の変化に対応しつつ進化しました。
 ヒトゲノムの解析が終了し、DNAにおいてタンパク情報をもつ遺伝子の割合は2%ほどでしかないことがわかりました。そして残りの大部分は、“タンパク 情報をいつ、どの程度に使いはたらかせるのか”を決める調節にかかわる塩基配列であり、この部分が進化のプロセスで複雑化してきたというのです。それに よって生存に有利になりました。

 生体の維持は、外界から情報と物質をとり入れ、代謝を営み、ホメオスタシスを継続することで成りたっています。この営みはエネルギー獲得により保障されています。
 これに加えて、システムを乱す負の要因があります。病原性をもつ微生物や代謝をさまたげる毒性物質、生体物質を酸化や糖化に追いこむ化学反応や、システムの不調を招くメンテナンスの不備などへの対応は怠るわけにゆきません。
 ここに挙げたのは、生体システムのサブシステムです(上図参照)。そのどれにもビタミンが役割をもっています。

代謝とビタミン
 生命活動に用いられるエネルギーはATP(アデノシン3リン酸)分子に貯えられている化学エネルギーであり、細胞内で自家生産しなければなりません。そ れはグルコースにはじまり、脂肪酸やアミノ酸も原料にしていくつもの化学反応をつないだ経路(エネルギー代謝)で、おもにミトコンドリアで進行します。
 エネルギー代謝は解糖系とよばれる第一段階とTCAサイクル(クエン酸回路)と電子伝達系とが連動するしくみですが、これを動かす役の酵素には決まった協同因子が必要です。
 酵素が作用するのに欠かせない協同因子は補酵素とよばれており、エネルギー代謝の場合その全体にわたってB群ビタミンが動員されています。その顔ぶれはB1・B2・B6・B12、ナイアシン、葉酸、ビオチンおよびパントテン酸で、これに別の経路(脂肪酸利用のためのオルニチン合成)でのビタミンCが加わります。
 ビタミンCは、結合組織成分のコラーゲンを完全な構造に仕上げる酵素を助ける協同因子でもあり、ビタミンKは血液凝固や骨形成に不可欠のグラタンパクをつくる酵素の補酵素です。
 B群ビタミンのそれぞれは、アミノ酸や脂肪酸などの栄養成分の代謝(分解、合成、変換する)にも持場があります。葉酸は核酸塩基の合成を助けています。
 8種のB群ビタミンとビタミンCは水溶性ビタミンに属し、ビタミンA、D、K、Eが脂溶性ビタミンに分類されています。

新しい機能の発見
 補酵素としてのはたらきのほかに、近年ビタミン類に新しい機能が見出されてきました。そのなかで特筆すべきものとして遺伝子発現へのかかわりがあります。
 脂溶性ビタミンのA・D・Kは、それぞれが特異的に結合する核内受容体があり、その複合体は遺伝子発現を開始させる転写因子としてはたらくことが知られています。
 ステロイドホルモンも同じように核内受容体を介してホルモン作用をあらわすのですが、そのなかのある種のものに、ビタミンB6による抑制作用のあることが知られているほか、ビタミンB12やナイアシン、ビオチンにより活性化されたり抑制されたりするなどの例が、次つぎと報告されるようになってきました。

調節制御システム
 環境に適応するための情報収集は生存の重要な条件にちがいありません。
 からだは眼や耳などの感覚器官で外部情報を集め、各細胞に伝え適切な応答をひきおこします。外部のさまざまな刺激や変化を感知するセンサーと、それを伝達するシステムの連携があり、遺伝子発現を制御するという流れが複数あり、重なりあって進行するのです。
 外部環境の光・音・温度などの物理的刺激やさまざまな化学物質がもつ化学的刺激は、感覚細胞により受けとられます。
 視覚におけるビタミンAの役割はよく知られていますが、嗅覚や聴覚の維持にもこのビタミンが欠かせません。
 細胞表面にはシグナル分子を識別する受容体タンパクが用意されています。
 嗅覚細胞は、それぞれが1種類の匂い受容体を備えていて、ある刺激に対応して、そのいくつかが組み合わせられ活性化して、多種類の匂いをかぎわけるしくみです。
 ヒトの遺伝子には孤立遺伝子とファミリーをつくっているものとがあり、後者は遺伝子重複によって生まれたとされています。
 ファミリー遺伝子のなかで最大のものは、受容体タンパクと、ジンクフィンガータンパクのなかまです。
 ジンクフィンガータンパクは、4個の亜鉛をもっており、ホルモンや脂質のセンサーでもあり、転写調節タンパク質でもあります。
 亜鉛とビタミンAとは、欠乏したときあらわれる症状には重複するものが多く、糖タンパクの合成低下やDNA・RNAの合成低下がその 原因と考えられています。

抗酸化ビタミン
 センサーから核までの伝達系で運ばれるシグナルはタンパク分子であり、構造を変えることで別のシグナルとなり、伝達システムを構成するタンパク質の間をつないでいます。
 この流れのなかでのシグナル分子の変化には活性酸素により酸化されて酸化型になるケースがあります。酸化型になって活性を失うと、それが次のステップを抑制するシグナルになるという具合です。
 ここでは生体機能に活性酸素の性質が利用されていますが、体内での活性酸素の発生は合目的的におこるとはかぎりません。
 よく知られているように活性酸素を含むフリーラジカルは、エネルギー代謝や薬物代謝や虚血・再灌流や免疫応答にともなって、しじゅう発生しています。それが核酸やタンパク質や脂質などを傷害する毒性を発揮します。
 毒作用の回避のために、からだはその消去酵素やグルタチオンなどの抗酸化物質を備えていますが、それがじゅうぶんではないとき酸化ストレスとよばれる状態が生まれます。
 ビタミンのうちで、ラジカルを捕捉して酸化ストレスの発生を防ぐものを“抗酸化ビタミン”とよんでいます。
 ビタミンEは代表的な脂溶性抗酸化ビタミンであり、水溶性のビタミンCとの併用で効率よく体成分を守ります。
 ビタミンA(レチノール)およびプロビタミンAのβカロチンにも抗酸化作用が認められており、ユビキノン(CoQ10)もまた、膜脂質の酸化を抑制する一方、酸化型ビタミンEの再生に役立つ抗酸化グループの一員です。

システム生物学のビタミン観


遺伝子発現の調節
 21世紀にはいり、ヒトゲノムプロジェクトが進展すると、ゲノムは外界からの情報によって後天的に修飾され、個体の一生を通じて複製されていることがわかりました。この現象はエピジェネティクスといわれ、後天的修飾をうけたゲノムをエピゲノムといいます。

 エピゲノムは、DNAのメチル化やヒストン(DNAが巻きついているタンパク質)のメチル化などの化学修飾でつくられています。
 メチル化とは、メチル基(CH3)がリジンなどの分子に付加されることをいいます(右図)。
 DNAやヒストンのメチル化にはアミノ酸メチオニンのほかに、葉酸、ビタミンB6・B12やコリンが必須といわれており、その他の化学修飾にはナイアシンやビオチンがかかわるなど、ビタミンの新しい機能が見出されてきています。
 B群ビタミンの基本的な機能は補酵素作用ですが、遺伝子発現の調節制御という持場でも活躍しているのです。
 ビタミンB6は、グリケーション(糖化)という生体分子に生じる病的な反応を抑制する機能が注目されています。

糖化ストレス
 タンパク質分子は合成されたのちに、小胞体で糖鎖が付加されて糖タンパク質になるものが少なくありません。この場合は酵素がはたらく合目的的な反応ですが、生体内では非酵素的なタンパク質の糖修飾が生じています。
 それによって酵素タンパクや構造タンパクが変性し、糖化ストレスがおこってきます。
 糖化ストレスはAGEと名付けられた非酵素的糖化での生成物が組織に蓄積して、疾患や老化を促進する状態です。
 腎臓は、血中に生じたAGEを排出する器官ですが処理しきれないケースがあり、蓄積されると機能低下がおこるのです。
 腎機能低下にともなって糖化ストレスが亢進するという悪循環におちいることになってしまいます。
 からだは、AGEの前駆体物質(カルボニル化合物)を消去する酵素をもっていますが、加齢とともにその活性が低下してゆきます。
 ビタミンB6はカルボニル化合物と結合してAGEの生成を抑制し、腎からの排出を促進します。ビタミンB2もまた糖代謝につながるAGE生成の経路を抑えるといわれています。
 糖化ストレスは、酸化ストレスや小胞体ストレス(異常タンパクの蓄積)の間で、引き金になりあうという、トライアングル(三角形)を形成しています。
 セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、GABA(γ-アミノ酪酸)などの神経伝達物質による脳機能の維持および末梢神経の障害予防にも、B群ビタミンがはたらいています。
 また睡眠障害の改善にビタミンB12が有効とする報告や、パントテン酸の腸管運動促進による便秘の改善、ビオチンには難治性皮膚炎(乾癬やアトピー性皮膚炎など)への治療効果などがあります。そしてこういう事例での摂取量は「食事摂取基準」として示されている数値にくらべて大量です。
 例えば睡眠改善でのビタミンB12は推奨量が1日に2.4μgに対し、1.5~3mgという具合です。大量摂取により新たな機能があらわれてくることになるでしょう。
 ある物質のもつ栄養効果を考えるとき、生体システムは複雑性の原理に従う存在であり、非線形性を特性としています。
 複雑系では、原因と結果とが比例する線形関係ではなく、小さな原因であっても結果が大きく変わる非線形性を示します。また多くの要素が協同する相互作用によって、異なる結果にゆきつくこともあるのです。

ビタミン摂取の考え方
 『日本人の食事摂取基準(2010年版)』は、年齢別、性別、ライフステージごとに、各栄養素の必要量について述べている提言で、推定平均必要量・推奨量・目安量や許容上限量などの用語を用いています(左下図)。

 ビタミンの項をみると、すべてに目標値が設定されていません。目標値とは、“生活習慣病の一次予防の目的”としており、目安量は“一定の栄養状態を維持 するのにじゅうぶんな量”、推奨量は“ほとんどの人が充足している量”と説明されており、結局この規準は“欠乏症にならないため”という古典栄養学のパラ ダイムにとどまっています。
 一方、基準値を超えた大量投与が、虚血性疾患やガンなどの病気発症を防いだり、病態を改善する例が報告されていますが、その場合は栄養効果ではなく薬理効果あるいは保健効果とされています。
 生体システムの運営にとって、栄養ネットワークのなかでのビタミンの位置づけは、ヒトを複雑系とみる新しい視点によって明確にされるでしょう。

メグビーインフォメーションVol.364「細胞生物学と栄養学6 ビタミンの新栄養学」より


www.megv.co.jp/web.php メグビーさんちより転載しました。
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