人生は死ぬまでの暇つぶし  自然にその日を迎えるまで、サバイバル(健康・経済・社会情勢・天変地異・・・)  真実、真相、本質、一を知りたい

★分子栄養学(三石理論): エネルギー調節と脂肪細胞

エネルギー調節と脂肪細胞

生命とエネルギー
 生物の営みは種の保存と個体の維持のためにあるといって過言ではありません。
それは遺伝のシステムと細胞自身が休まず供給する生体エネルギーによって保障されています。
 生命が必要とするエネルギーは、外界からとり入れたエネルギー源を細胞内で変換してつくっています。ブドウ糖や脂肪酸などを酸化して、ATPという化合物に変えます。ATPは3個のリン酸を結合しており、その結合を切るとエネルギーが放出される高エネルギー分子です。
 放出されたエネルギーは、タンパク質合成や分解などの化学反応にも、栄養素の消化・吸収や輸送にも、筋収縮などの運動や姿勢を保つための力学的エネルギーとしても、神経活動での電気的エネルギーにも、体温調節の熱エネルギーにもなってゆきます。
 細胞が生体エネルギーをつくり出す仕事すなわちエネルギー代謝は、おもに細胞小器官ミトコンドリアで進行します。毎日つくり出されるATPの量は、成人の場合自分の体重を超え、2倍以上にもなると試算されています。
 近年ミトコンドリアと、老化・ガン・糖尿病・心不全・神経変性などの病態との間のかかわりが注目されるようになってきました。

エネルギー代謝の調節
 個体レベルでは、エネルギー代謝の恒常性はいろいろの摂食調節物質と、エネルギー消費調節因子がかかわって調節されています。
 生体において、エネルギー摂取とエネルギー消費のバランスを維持し、体重をほぼ一定に保たせる調節因子には、レプチン、オレキシン、ヒスタミンなどがあります。
 レプチンと同じく脂肪組織から分泌されるホルモン(アディポサイトカイン)であるアディポネクチンは、脂肪酸の燃焼を促進し、エネルギー消費をアップさせる方向にはたらきます。

 脳でのエネルギーバランス調節機構の中枢にある大脳辺縁系の視床下部では、グレリン、オレキシン、レプチン、セロトニンなどの相互作用により摂食が抑え られたり促進されたりするしくみですが、ヒトでは嗜好や習慣やストレスといった要素が加わってバランスを乱していることが少なくありません。
 グレリンは、胃のグレリン分泌細胞がつくり分泌するペプチドホルモンで、食前に血中濃度が上昇し、食後は元の値にもどります。ガンや炎症性疾患での食欲減退や体重減少では、血中グレリン値が高くなっています。
 オレキシンは視床下部で神経細胞によってつくられるペプチドで、摂食のほか睡眠・覚醒の制御にもかかわっています。
 動物にとっての摂食行動は、個体の維持に重要であり、そのため覚醒レベルを上げなければなりません。
 減量を目的にカロリー制限をしていると、不眠を生じる場合があり、それはオレキシン産生細胞の活性化によるとされています。

多彩なレプチンの機能
 健康志向から体重調節に関心をもつ人は多く、体脂肪率やBMI(体格指数)の測定がひろく行われています。
 血中のレプチン濃度は、体脂肪率やBMIとよく相関することが知られています。
 近年、からだには体重調節にかかわる生理システムがはたらいていることがわかり、その構成要素が明らかにされてきました。
 体重が増減すると、その変化に応じて生理的反応が生じて、体重を元にもどそうとする遺伝的なしくみがあり、レプチンがその重要な因子として注目されたのです。
 脂肪細胞から分泌されるレプチンは、末梢組織でのエネルギー蓄積状態と栄養状態をモニターして、その情報を中枢の視床下部に伝えます。体重増加は血中のレプチンレベルを上昇させ、体重が減るとその血中濃度が低下します。
 その結果、上図にあるように、体脂肪量をコントロールするフィードバックループが形づくられていると説明されています。
 視床下部はレプチン受容体が多く、レプチンの主な作用場所ですが、血管内皮細胞やT細胞や膵細胞にも受容体が見つかっています。
 レプチンは、内皮細胞の受容体を介して血管新生を促します。また上皮細胞の分裂をすすめて組織の傷の修復に役立ちます。
 レプチンはT細胞の増殖やマクロファージの貪食を助けるなど免疫機能にもかかわっています。
 レプチンはまた、コルチゾールや甲状腺ホルモンやエストロゲンと協調しながら、脂肪組織と他の臓器の間のシグナル伝達を受けもち、全身の協調による脂質代謝や血圧調節などの恒常性の担い手としてはたらく役割が認められるようになりました。
 レプチンという名は、ギリシア語のレプトス(やせるという意味)にちなんでおり、“夢のやせ薬”として期待された時期がありました。しかし肥満のヒトは 一般にレプチンの感受性が低いことがわかりました。レプチン作用には、血中の輸送や神経回路への他の因子のかかわりが少なくないためと考えられています。

脂肪細胞の役割
 脂肪細胞は集まって脂肪組織となり、皮下や腸間膜などに分布しています。その内部に中性脂肪の形でエネルギーを蓄積しており、インシュリンやエストロゲンなどのホルモンや神経の刺激によって活発に出し入れしています。
 空腹時でグルカゴンがはたらく状況のときは、脂肪細胞は中性脂肪を分解して、生じた脂肪酸を血中に放出します。反対に摂食によりインシュリンレベルが高 くなると、脂肪細胞内にグルコースが増え、脂肪酸はグルコースから変換したグリセロールと結合、中性脂肪が合成されます。脂肪細胞では、このように血中の インシュリンとグルカゴンレベルに対応して、脂肪の合成と分解がさかんにおこっています。
 中性脂肪は脂肪細胞の細胞質に、油滴としてたまってゆきます。はじめはいくつかの小さい脂肪滴だったものが、脂肪の量がふえると融合して大きくなり、細胞を大型化させます。

脂肪細胞の変化
 エネルギー過剰によって脂肪組織が増加したとき、脂肪細胞のサイズと数に変化が生じています。
 脂肪細胞の肥大化で、遺伝子発現の変化を招き、脂肪酸の分泌異常やアディポネクチンの低下ばかりでなく、炎症をひきおこすサイトカインをつくり出すよう になってゆきます。その影響は脳・肝臓・骨格筋・血管系などさまざまな臓器でのエネルギーバランスの恒常性を乱します。脂肪組織に慢性炎症がひきおこさ れ、くすぶりつづける状態は、脂肪細胞の変質をさらに増幅させるという悪循環になってゆきます。

脂肪組織と炎症
 脂肪組織には、脂肪細胞のほか、その前駆細胞や白血球などがふくまれていますが、脂肪の蓄積によって存在比が大きく変化します。
 なかでもマクロファージが増えてきます。

 肥大化した脂肪細胞は、シグナル分子を分泌して骨髄からマクロファージを呼びよせて、その数をふやすのです。
 脂肪組織にはもともと炎症を抑制するように作用するマクロファージが存在しているのですが、だんだんと炎症に加担するよう変身したマクロファージが優勢になります。
 脂肪の蓄積した細胞は低酸素状態になり、酸化ストレスや小胞体ストレスが増えています。それが抗炎症作用をもつアディポネクチンの低下につながっています。
 脂肪組織での炎症促進因子と炎症抑制因子のバランスが破綻した状態が、肝臓や骨格筋などの臓器を介して、糖代謝・脂質代謝を異常に追いこむという図式です(図参照)。

アディポネクチンと栄養
 アディポネクチンの産生をふやす手段として低カロリー食と運動による体重減少、毎日の魚またはn-3系多価不飽和脂肪酸の摂取、食物繊維の摂取の3通り の方法がテストされ、それぞれに効果があったと報告されましたが、なかでも魚またはn-3系多価不飽和脂肪酸(EPA・DHA)を毎日摂取する実験では、 約14~60%のアディポネクチン濃度の上昇がみられたのです。
 脂肪細胞にビタミンEを添加する実験では、濃度に依存してアディポネクチンmRNA発現が増加し、その有用性がたしかめられました。ビタミンEには、EPAやDHAの酸化を防ぐ作用があります。

エネルギー代謝と疾患


ミトコンドリアの機能
 細胞内で効率よくATPをつくり出す装置がミトコンドリアで、ヒトでは1個の細胞あたり数百あるいは数千個にもなります。エネルギーへの依存度が高い心筋や骨格筋や神経細胞や肝細胞には特に多く、ネットワークをつくって細胞全体に休まずエネルギーを供給しています。
 分裂したり融合したりして形態を変えながら活発に動きまわるアメーバかバクテリアのような姿が顕微鏡下で観察されるのです。
 ミトコンドリアは、太古の時代に真核細胞にとりこまれ、共生したバクテリア(細菌)だといわれています。

 その遺伝子は、進化の過程で大部分が核へ移行し、残ったものがミトコンドリアになりました。
 そのためミトコンドリアは独自のゲノムをもっています。ミトコンドリアゲノムは環状DNAで、母性遺伝で次世代に渡されてゆきます。
 ミトコンドリアゲノムは、つねに発生する活性酸素やウイルスの侵入で変異のおこりやすさは核ゲノムの10倍以上であり、さらに修復システムがないため機能低下のリスクが大きいのです。
 ミトコンドリアは1000種以上のタンパク質をつくり、そのほとんどは核ゲノムからの発現ですが、ミトコンドリア内で転写・翻訳される13種とあわせて揃わなければエネルギー代謝を営むことができません。
 最近のミトコンドリア研究は、老化やガン、神経疾患、心不全、糖尿病といった身近な病気の発症と進行にミトコンドリアがかかわり、一方でそれらの病態がミトコンドリアに影響するという相互の関係を明らかにしています。

ATPをつくるしくみ
 ミトコンドリアは外膜で包まれ、内側に折りたたまれた内膜があります。この内膜にATPづくりのためのタンパク質が配置されています。
 このタンパク質製のATP生産装置は、4つの電子伝達酵素(複合体Ⅰ~Ⅳ)とATP合成酵素(複合体Ⅴ)で、連携してはたらきます。
 ATPづくりのしくみは、細胞質で進行する解糖というプロセスと、それに連続したTCAサイクル(クエン酸サイクル)とで構成されたシステムで、ADPにリン酸を結合させてATPに仕上げます。
 TCAサイクルの各ステップは、いくつもの酸化還元反応で構成されており、ADPからATPへの変化では、酸化にともなってリン酸が付加されるので“酸化的リン酸化”といわれています。

活性酸素の問題
 ミトコンドリアの酸化的リン酸化反応では、酸素が消費されつつATPが合成されます。“酸化反応とは電子を奪いとる反応”という表現があるように、ATPづくりのシステムでは電子が移動します。
 複合体Ⅰから複合体Ⅲへ、また複合体ⅡからⅢへの電子の移動(電子伝達)ではユビキノン(CoQ)とよばれる伝達分子がはたらき、複合体Ⅲから複合体ⅣへはシトクロムCという名の伝達分子がそれを受もっています。
 電子伝達のプロセスで酸素の一部が活性酸素に変わることが知られています。スーパーオキサイドが発生するのです。
 ミトコンドリア内にはスーパーオキサイドを除去する酵素スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)の一種(MnSOD)が用意されていて活性酸素を処理しています。ユビキノンにも抗酸化作用があります。
 通常のエネルギー代謝では活性酸素は処理されますが、炎症などにより処理能力を上回る活性酸素が発生してミトコンドリア自身のDNAを損傷すると、不良ミトコンドリアはますます活性酸素をまきちらすようになってしまいます。
 MnSODをつくれなくしたマウスは、強い心筋障害が生じて死亡する例が多く、生き残ったものは重大な神経障害がおこったと報告されています。
 活性酸素を過剰に放出するミトコンドリアをもつマウスは、糖尿病やリンパ腫を発症するが抗酸化剤の投与でそれを予防できたという研究結果もあります。

エネルギー代謝とビタミン
 エネルギーづくりの第一段階である解糖システムではグルコースからピルビン酸を生じます。次にピルビン酸がコエンザイムA(補酵素A)と結合してアセチルCoAになると、TCAサイクルの終点にいるオキザロ酢酸と反応してクエン酸になりサイクルにはいってゆきます。
 ピルビン酸とTCAサイクルの橋渡しをするのはピルビン酸脱水素酵素複合体で、協同因子として補酵素型のビタミンB1およびパントテン酸が役割をもっています。
 B群ビタミンは、エネルギー代謝での補酵素機能をもつものが多いことが知られています。
 補酵素とは、酵素タンパクに結合してその作用を助ける有機化合物で、補基質と補欠分子族に分けられています。
 補基質は酵素反応後は酵素から離れますが、補欠分子族は酵素と強く結びついています。
 エネルギー代謝での持場が多いナイアシンはニコチン酸とニコチン酸アミドをいいます。ナイアシンはトリプトファンから生合成される経路があるので、ふつう欠乏症はないとされてきたのですが、国民健康栄養調査の結果では、潜在性欠乏症があると推定されています。
 パントテン酸は“広くどこにでもある”という意味のギリシア語から命名されたように、さまざまな食品により供給され不足しないとされていますが、上記の調査では50%の人は摂取目安量を満たしていませんでした。
 補酵素としてはたらくビタミンは、酵素タンパクとの結合力が確率的であること、活性型への変換に遺伝子多型による効率の個体差があることなどの条件を考えた必要量を維持するのが賢明といえるでしょう。

メグビーインフォメーションVol.361「細胞生物学と栄養学3 生体とエネルギー」より


www.megv.co.jp/web.php メグビーさんより転載しました。



関連記事
プロフィール

タマいち

Author:タマいち

こんにちは ♪
漢方と生薬の匂いが大好き ♪
花の七十代♂、サバイバル中心です♪

サバイバルに必要な情報の収納庫!
転載はご自由に ご勝手にどうぞ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
ブロとも一覧

熊本!365歩の街(マーチ)!!

独りファシズム Ver.0.3

だいだいこんの日常~抗がん剤は毒ガスなので保険適用をやめましょう~

シスVSエイリアン

アギタの神が住む鎮守の森

やっぱり、毎日がけっぷち

建築とかあれこれ 呪いもあれこれ 

石橋を叩いて割れ!

さんたブロ~グ

マトリックス脱出

シドニーおちんの、これが今の精いっぱい

シドニーおちんのこれが今の精いっぱい2

何てことはない日々
検索フォーム
リンク
飯山です