治り難い耳鳴りを鍼灸で治す。リー先生の
院長ブログ『異端医師の独り言』より、転載します。 貼り付け開始。
* 【ブログ】 今朝、山田さんから頂いた情報です
2010年05月31日12:31
☆ 耳鳴りの治療カテゴリ基礎医学・臨床医学
かつて、耳鳴りを合併されていた患者さんを数人診ていた。米・内科書によると、「心地よい音が流れる」補聴器がベターと記載されていたので、国内で捜して見たところかかる補聴器は、なかった。
そこで、無理やり横幕君に「鍼灸的」治療法をブログに掲載するように、命じました。以下彼のブログの転載です。
耳鳴り・突発性難聴がなぜおこるのか?なぜ鍼灸で治るのか?考えるととても興味深いです。
反応点治反療では、内耳・中耳の反応点、咽・耳鼻咽喉領域の反応点を刺激して回復させる事により症状の改善が見られます。
耳鳴りの原因は多岐にわたり特定するのが困難と思われます。しかしながら、身体の機能と構造、鍼灸刺激、反応点への刺激から疾病が回復する点から考えると見えるものがあるのではないかと考えます。
機能と構造から考える まずは、音が何故聞こえるか?一般的な構造と機能を見てみます。音は空気の振動であり、振動が鼓膜に伝わり増幅され、さらに耳小骨と呼ばれる小さな骨を伝わり、内耳にある蝸牛(かたつむりみたいな形)にあるリンパ液を振動させます。このリンパ液の振動(流れ)の変化を有毛細胞と呼ばれるセンサーがキャッチして神経を通じて脳に伝えます。
振動→鼓膜→耳小骨→蝸牛→リンパの流れ→有毛細胞→蝸牛神経→聴覚野 となります。 まず、音が伝わっている点より蝸牛神経・聴覚野の障害は考えにくいと思います。神経の障害であるならば音は聞こえないと考えるのが妥当ではないでしょうか。
次に音が大きくなったり、小さくなったり、余分な音が入ると言う点から考えてみます。 可能性としては、鼓膜・耳小骨・リンパではないかと思います。鼓膜には鼓膜の張力を調整するするシステムがあります。耳小骨においても同様に音の伝達を調整するシステムがあります。これらは鼓膜や内耳を保護する役割のためであると考えられてます。いずれにしても、この部分になんらかの変化があれば音の伝達は変化する可能性があるという事です。
さらにリンパ液の問題について考えて見ます。 リンパ液は水のようなものですが、この水が流れを有毛細胞がキャッチして音として認識をします。リンパ液が炎症などで変性をしたりすれば、流れも変化して音の伝達に異常が発生する事が考えられます。上記の様に、鼓膜・耳小骨・リンパ液が怪しいのではないかと思うのです。
これらは検査では見えない部分です。
鍼灸治療効果から考える ここで鍼灸治療で改善が見られると言う点から考えてみます。局所の炎症などの情報が脊髄反射・脳幹反射を介して、筋や器官に影響を与えます。また鍼灸刺激の特徴は血管・リンパ管の拡張作用・透過性作用の亢進があります。
局所の状態から現れる反応点に鍼灸刺激を加える事に炎症症状や環境が改善される事により、反射的に鼓膜張筋やアブミ骨筋の緊張が正常な状態に戻り疾病が解消されるのではないかと推測します。
局所の炎症等→求心性神経→反射→鼓膜張筋→鼓膜の振動
局所の炎症等→求心性神経→反射→アブミ骨筋→耳小骨の振動 次に血管やリンパ管の拡張・透過性作用から考えると 蝸牛におけるリンパ液の透過性を亢進させ、リンパ液の入れ替えの促進や蝸牛管内に生じていた水腫などの炎症物質の除去などが考えられます。これらの結果リンパ液の状態が正常に戻り、症状の改善がみられると考えます。
特に局所の炎症として反射領域から考えられるのは、耳鼻咽喉領域であると考えます。 慢性化・再発の面から考えると耳鼻咽喉領域からの情報が継続して入力する限りは症状が治まらないと考える点でも、根本原因はこの辺りにあるのではないかと推測します。
以上身体の機能と構造、反応点への鍼灸刺激による疾病の解消より耳鳴り・突発性難聴の機序を考えてみました。
貼り付け終り。
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