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★分子栄養学(三石理論): わかってきたリン(P)の生化学

体液の電解質組成
 体液の量や分布、浸透圧、pHの調節は電解質のはたらきによって維持されています。
 電解質は水などの溶媒に溶けるとイオンに解離して電気伝導性を示す物質で、食塩(NaCl)はその例です。
 体液の電解質組成は細胞の内と外とで大きくなっています。

 細胞内の陽イオンはカリウムが主体で、陰イオンはリン酸イオン、細胞外液では陽イオンがナトリウム、陰イオンはクロールと重炭酸イオンという具合です。
 細胞膜内外の浸透圧を保つように、水分が膜を通過移動し、内液の量は外液より多くなっています。
 体液の約3分の2が細胞内液で、残りが外液ですが、そのうち約4分の1~3分の1が血管内にあります。
 水分や電解質の摂取は、脳の視床下部や頸動脈や心筋にある圧受容体、さらには腎糸球体装置などが感知してホルモンや交感神経系を介して腎臓へシグナルを送り、尿へ排出といった調節作用を促して、恒常性が維持されるしくみです。
 低Na(ナトリウム)血症や低K(カリウム)血症、高K血症などの電解質組成の異常は、心筋や消化器や神経系の病変を生じさせます。

Ca・P・Mgの代謝異常
 ナトリウム・カリウムとともに主要な必須ミネラルに分類されているカルシウム(Ca)、リン(P)およびマグネシウム(Mg)も生体内の電解質として、いろいろの生理機能にかかわっています。そして心不全などの心血管系疾患や腎臓疾患にその代謝異常が結びついています。
 このなかでリン代謝の研究はおくれていました。日常の食生活で不足のないミネラルであり、その代謝調節はカルシウム代謝に付随するだけと考えられていたのです。
 転機は“Klotho”と名付けられた変異遺伝子の発見により訪れました。
 “Klotho”という名は、ヒトの一生を司どるギリシア神話の糸を紡ぐ女神にちなんだものと伝えられています。
 Klotho遺伝子は、皮膚の萎縮、脱毛、歩行異常、脊骨湾曲、骨粗鬆症、動脈硬化などヒトの老化に似た症状が出現し短命という特徴を示す変異をもたらすものでした。
 そしてKlotho変異マウスにあらわれるさまざまな老化にかかわる症状の原因は、カルシウム・リンの代謝異常であることがわかりました。
 CaとPは副甲状腺ホルモンと活性型ビタミンDによる調節を受けています。
 副甲状腺は甲状腺の裏側にあり、PTH(パラトルモン)というホルモンを分泌します。PTHは、骨から血中へCaを動員し、腎臓でのCaの排泄を抑え、リン酸の排出をすすめます。またビタミンDを活性型へ変換します。
 活性型ビタミンDは腸管でのCaとPの再吸収と腎尿細管でのCaの再吸収を促進します。
 Klothoタンパクはシグナル伝達や抗酸化作用、腎臓のイオンチャネルの活性調節など多様な生理機能をもっており、ビタミンD代謝にかかわっているのです。

Klotho遺伝子と疾患
 動物実験によってKlotho遺伝子の変異や欠損で腎臓・動脈・心臓・皮膚・肺・軟骨などでの“異所性石灰化病変”が生じることがわかりました。

 異所性石灰化とは、骨以外にカルシウム塩が沈着し、画像診断などによってみつけ出されるものをいいますが、胆石や腎結石のような結石症は通常ふくまれません。
 慢性腎臓病では、腎臓からの排泄量が減ってPが蓄積し、パラトルモンの分泌がふえる一方で活性型ビタミンDは低下します。さらに石灰化により血管壁の弾 力が失われることになります。また血管内皮からのNO(一酸化窒素)放出も低下します。NOの減少は血管拡張をさまたげて障害のリスクになるのです。
 近年、腎機能が正常であっても血中リン濃度が高いと心血管疾患の危険度が高まるといわれるようになりました。
 ヒトのKlotho遺伝子には6種のSNPs(一塩基多型)があり、脂質代謝や糖代謝、収縮期血圧、骨塩量に関連していることが知られています。
 疫学調査のデータも、高リン血症は寿命に関してマイナス因子であることを示しました。
 そしてリンに対しての新しい視点が生まれてきたのです。

リンの生化学
 リンはすべての細胞・組織のなかにあります。その80%はカルシウムと結びついて不溶性のカルシウム塩(ヒドロキシアパタイト)になって骨や歯に沈着しています。
 体内存在量は炭素・窒素・カルシウムについで多く、その総量は約500~700gとされています。そのうちの10%ほどはタンパク質や核酸や脂質に結合しています。
 細胞膜はリン脂質の二重層構造であり、DNAやRNAの基本骨格はデオキシリボースおよびリボースがリン酸でつながれたつくりです。
 生体用エネルギーはATPにリン酸の結合という形で蓄えられます。 リンはいろいろの酸化物になりますが、そのなかのリン酸(H3PO4)が生化学的に重要です。
 血中では血液のpHを正常に保つようにはたらいています。
 厚生労働省の発表によれば、日本人成人は1日に男性が1,000mg、女性は900mg程度のリンを摂取しています。そのうち80%ほどが吸収されますが、一方で摂取量の約15%にあたるリンが消化液中に分泌されています。
 リンの摂取量に応じて血清中の無機リン濃度が上昇し、感知した副甲状腺や骨や腎臓がホルモン分泌を介して尿への排出量を調節します。

リン代謝の調節
 リンとカルシウムは相互に関連しながら、活性型ビタミンDやパラトルモンやKlothoなどの作用で恒常性が維持されますが、腎臓の機能が低下するとそれが困難になってきます。

 カルシウムとリンの貯蔵庫の役割をしている骨は、絶えずリモデリング(骨吸収と骨形成の繰り返し)によりミネラルを血中へ放出したりとりこんだりしています。
 骨以外の組織でも細胞へ移行したり放出されたりしており、全体として体内のリン出納は平衡状態にあります。
 リンの摂取量が過剰だったり不足したりする場合には、腎臓でのリン再吸収によりそれを調節して一定のレベルに維持します。
 リンは糸球体の基底膜をたやすく通過しますが、尿細管に再吸収の装置があって、大部分が吸収されています。(上図)。
 尿細管のなかでも近位尿細管の管腔には特別のリン酸トランスポーターが配置されているのです。

リン酸トランスポーター
 リンを輸送するトランスポーターはナトリウム依存性で、ナトリウムイオン(Na+)とリン酸水素イオン(HPO42-)を輸送します。
 活性型ビタミンDは核内受容体に結合し、トランスポータータンパクの遺伝子を発現させます。このときレチノイン酸(ビタミンA誘導体)受容体との複合体になることが必要です。
 このような調節機構はありますが、食後には血清リン濃度が上昇して、血管内皮機能の障害や血管壁石灰化、骨代謝異常などのリスクになると報告されています。
 リンの過剰摂取から副甲状腺ホルモンの分泌が促されると、それが骨にも作用し骨吸収が増加、骨形成とのバランスが破綻して骨粗鬆症の要因になります。
 リン摂取にはカルシウムやタンパク質の摂取量、化学形態(有機リン・無機リン)と吸収率の差、加工食品による食品添加物としての摂取の増加といった問題が指摘されています。
 現代の食環境は血中リン濃度の高値による健康へのリスクをもたらしているというのです。

リン栄養と疾患


リン代謝と寿命
 Klotho変異マウスの研究から、リンを制限した餌育により血中リン濃度を低く抑えると、いろいろの老化症状が改善し、寿命が延長することがわかりました。
 マウスをはじめウサギ、ブタ、ゾウからヒトまでの哺乳動物で調べると、血中リン濃度が高い動物ほど寿命が短いことが明らになり、カルシウムではそのような関係はなかったのです。
 多くの疫学データは、ヒトで高リン血症が生じる要因の第一は腎機能の低下であり、心血管疾患のリスクを増大させることを示しています。
 腎機能の低下は加齢現象であり避けられません。腎臓の重量は60歳ごろからだんだん減少しているといわれています。
 慢性腎臓病が進行すると、“メンケベルグ型中膜石灰化硬化症”とよばれる動脈硬化がおこってきます。
 このタイプの動脈硬化は、血管構造の中膜に石灰化が生じており、アテローム硬化とは成りたちがちがっていますが、血管壁の弾力が失われる点は同じです。
 従来、石灰化はカルシウム×リンの量がふえるとヒドロキシアパタイト結晶が形成され、沈着すると説明されていたのですが、2000年になって細胞外リン酸濃度の上昇が決め手であることが実験的に証明されました。
 細胞外のリン酸濃度の上昇はトランスポーターを活性化させて、細胞内へリン酸を流入させます。リン酸は細胞内でシグナル分子として作用し分化の経路を変更させてしまい、平滑筋細胞は骨芽細胞様に分化誘導されて、石灰化をはじめるというのです。
 細胞外リン酸濃度が一過性に増加すると、血管内皮細胞による拡張反応が減少し、酸化ストレスが増大することも知られており、アテローム型動脈硬化にもかかわっています。

食品成分とリン
 リンは腸管腔内でカルシウムと結合して、不溶性の複合体となるため、カルシウムが効率よく吸収されるにはCa:Pの比は1~2が適当とされています。Ca:P比の低い食事をつづけていると副甲状腺ホルモンが上昇し、骨量減少を招くという指摘があります。
 タンパク質1gには約13mgのリンが含まれています。リンの摂取を目安量(1,000mg)から考えた場合、体重あたりのタンパク摂取量は1.0~1.2gが妥当といわれています。
 厚生労働省が実施した2011年度の国民栄養調査では、日本人1人1日あたりの総平均リン摂取量は954mgとされていますが、この数値には個体差があります。またこのデータには食品添加物からのリン摂取量がはいっていません。
 吸収率の点では、動物性食品と植物性食品とでちがいがあり、有機物と結合した有機リンと食品添加物の無機リンとでも吸収率が異なっています。
 無機リンは有機リンに比較して吸収率が高いのですが、植物性食品中のリンの多くはフィチン酸の構成成分として存在しており、これを分解する酵素をもたないヒトでは吸収率が高くありません。

リン酸添加物

 食品添加物とは、食品衛生法に「食品の製造過程においてまたは食品の加工もしくは保存の目的で食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう」と定義された物質で、今日の食品加工には不可欠の存在といってよいでしょう。
 リン酸化合物は、加工食品の歯ごたえをよくしたり色をきれいに見せたり、pHの調整や乳化、保潤などいろいろの用途でひろい範囲の食品に用いられているものが約30種あります。
 多く用いられているのは、上表に挙げているリン酸やリン酸塩で、飲料、冷凍食品、シリアル、スナック、加工肉類、チーズ、インスタント食品、シロップ、練乳、ヨーグルトなどに使用されています。
 現在、添加量の表示は義務ではなく、1日に添加物として摂取されているリン酸の量は明らかになっていません。
 無機リンの多い食品としては、飲料、加工肉(ハム・ソーセージ)、冷凍食品、シリアル類、プロセスチーズ、インスタント食品となっています。

リン過剰の問題
 酸味料としてリン酸塩を使用しているコーラのような清涼飲料水の1缶(350ml)では、およそ40~70mgの無機リン酸摂取になると見つもられています。この場合、液体に完全に溶解しており吸収率が高いのが特徴です。
 チーズは種類によってリン酸の含有量はいろいろですが、プロセスチーズに多いとされています。
 近年の技術の発達によって、保存性や嗜好性を向上させた加工食品が簡便さによりひろく普及し、栄養上の問題点といわれるようになってきたのです。
 リン摂取が過剰という明確な指標はなく、血中リン濃度が採用されています。
 2010年版の「日本人の食事摂取基準」では、血中リン濃度が正常上限となる摂取量として3,686mgを健康障害があらわれない量とし、不確実性係数(UF)を1.2として算出した数値“3,000mg/日”を許容上限摂取量(UL)と決めています。
 ULの定義は「一般的な集団におけるほとんどすべての個人に対して、健康に対する有害なリスクを生じない、毎日の栄養成分の摂取量の最大値」というものです。
 UFは効果測定時の不確実性などを考えての安全度というわけです。
 リンの安全性については、通常の食事からの摂取量が有害になる可能性は小さく、添加物としての摂取が問題といえますが、十分なカルシウムとビタミンDの補給が、安全対策ということになります。

メグビーインフォメーションVol.382「ミネラル代謝の新展開」より


www.megv.co.jp/メグビーさんちから転載しました。
メグビーは分子栄養学に基づく栄養補完食品を製造販売する唯一の会社です。


*「健康自主管理」に最適な「分子栄養学(三石理論)」で、タマいちも愛用しています。


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