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★分子栄養学(三石理論): 老化の“なぜ”を追って

3 つの“M”
 年齢を重ねた個体には、しばしば生理的老化と病的老化が重なっており、多くの複雑な症状があらわれることが少なくありません。
 そのためにおこっている機能障害には、うつや認知症などの精神(Mentality)の障害や起立・歩行障害・転倒しやすさ・嚥下障害といった運動 (Motor)の障害、失禁・頻尿などの排尿(Micturition)の障害があり、それぞれの頭文字から“3つのM”といわれています。
 このような高齢者の特徴的な病態や症状は老年症候群とよばれています。
 記憶力や筋力の低下は生理的におこってきます。皮膚の変化や視力・聴力などの感覚機能の低下は自覚されますが、動脈硬化や肝臓の薬物代謝能力、免疫応答、内分泌の変化などの目に見えない老化が老年症候群の背景にあります。
 加齢にともなって、発症する病気も変化します。食物などが誤って気道にはいりこむことでおこる誤嚥性肺炎や細菌感染症、運動器や口腔機能の廃用性低下、 長期にわたる多くの薬剤摂取といった生活上の条件が老年症候群と密接にかかわっています。転倒の原因になるめまいやふらつきの訴えも年齢が高くなるにつれ て増加しています。

老化プロセスと代謝
 老年症候群は、特定の臓器だけにおこってくる変化ではなく、多臓器が相互作用しながらかかわっています。
 加齢性の変化は、神経系にも循環器や消化器や運動器にも泌尿器にも生じてきます。
 サルコペニア(加齢性筋萎縮)や関節の痛み、起立性調節障害、動悸・息切れ、食欲低下、便秘、括約筋障害による失禁、睡眠障害、低体温などがその症状です。
 生体システムを構成する各臓器の機能は、それぞれに固有の細胞が営む代謝によって担われています。
 細胞レベルの老化プロセスは、代謝と密接にかかわっています。
 近年、生存の第一条件であるエネルギー獲得代謝とタンパク質をはじめとする栄養素代謝は、個体レベルの慢性疾患発症を予防し、プロセスの進行をゆるやか にする鍵と考えカロリー制限と寿命に関する動物実験の成果報告されて、関心を集めました。老化をおく遺伝子としてサーチュイン(Sirtuin)ファミ リーが発見され、食物成分やカロリー制限との関係がクローズアップしました。
 またサーチュインファミリーと協力し、各臓の代謝の制御機構としてはたらくニコチン酸の役割が「NADワールド仮説」として登場しました。
 副甲状腺ホルモンの分泌や腎臓のカルシウムを調節するタンパク質(α-Klotho)は、ビタミンDの活性を介して、老化プロセスにかかわるなどの情報が新しい見方をすすめています。

カロリー制限
 カロリー制限による飼育により、マウスやラットの寿命が延長し、慢性変性疾患が抑制または軽減されるという実験結果がはじめて発表されたのは1930年 代でした。以来、酵母、線虫、ショウジョウバエ、魚類、ラット、マウスそして霊長類を対象に多くの実験が行われて、ヒトでの適切なカロリー摂取が論じられ るようになりました。

 動物実験では、糖代謝や脂質代謝がコントロールされて、血糖や血中脂質のホメオスタシスが改善されました。糖尿病や神経変性疾患やガンなどの疾患の抑制 に有効と報告され、カロリー摂取の制限からどのような代謝的適応が生じるのか、ヒトのような長寿命の哺乳類においても老化プロセスをおくらせる結果が得ら れるのかが次のテーマになりました。この問題にはまだ答はなく、自主的にカロリー制限を実行する人たちのグループの協力によるデータを集めている段階と伝 えられています。
 実験的なカロリー制限では通常より20%~30%ほど低い摂取量が試みられています。
 テストの実施期間も6ヶ月や2年間、あるいは数年とさまざまで、対象者の平均年齢も30歳代から60歳代ですが、カロリー制限および過剰な摂取は、極端な場合、いずれも生命維持にマイナスに作用します(上図参照)。
 長期的なカロリー制限によりインシュリンへの感受性が保たれたり、炎症マーカーや内臓脂肪の蓄積が抑えられて酸化ストレスの減少が認められる一方で、骨量や下肢筋肉量の低下も示しているというのです。
 そこで各栄養素の十分な摂取が考慮されなければ、カロリー制限は代謝や身体機能に有害であり、有益であるための適切な栄養条件が遺伝子レベル・細胞レベルで追求されています。

抗老化遺伝子
 カロリー制限によって活性化される遺伝子として見出されたのがサーチュインでした。この遺伝子の活性化でつくり出されるタンパク質はストレス抵抗性や代謝変化にかかわる遺伝子発現を制御する役割をもっているというのです。
 その機能のメカニズムとしてミトコンドリアの新生に必要な転写因子をつくらせたり、ガン抑制遺伝子のP53タンパク質と結合してアポトーシスを制御したり、などが論じられました。
 赤ワインにふくまれているポリフェノールの1種であるレスベラトロールが、サーチュインを活性化させるという記事が『ネーチュア』に掲載され、カロリー 制限と同じ作用をもつ天然物質として関心を集め、類似の物質を含めての研究がさかんに行われて10年あまり経過しましたが、成果がいわれる一方で副作用の 報告もあり、また実験に用いられる量が1日に赤ワイン100杯以上というので現実的ではありません。

NADワールド仮説
 サーチュイン研究の成果のひとつは、生体内で合成される補酵素NADの新たな機能の発見でした。
 NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)は、酸化還元反応における補酵素として知られ、遊離のニコチン酸とニコチンアミドはあわせてナイアシンとよばれています。

 ナイアシンは、ヒトの肝臓でアミノ酸トリプトファンから生合成されますが、その転換率はビタミンB2やB6の摂取不足や飽和脂肪酸やショ糖の過剰摂取で低下するなどの要因により一定しません。そこで食品からとり入れるビタミンのなかま入りをしています。
 ナイアシンは牛・豚・鶏肉、サケ、マグロなどの動物性食品ではニコチンアミドとして含まれますが、植物性食品(マメ類・キノコ)などではニコチン酸です。
 ニコチンアミドからのNAD合成プロセスは、わずか2段階(上図①②)です。
 ①の段階で生じたNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、血流によって全身の組織・器官へ分配されてゆき②の段階が進行します。とくに膵臓β細胞と神経細胞がこのシステムに依存していることがわかりました。
 サーチュインは全身の各臓器における代謝反応をネットワーク的に統括するメディエーターの役割をしており、NAD合成システムがそのペースメーカーになっているという考え方が生まれ「NADワールド仮説」として提唱されたのです。
 NAD合成における弱点をもつ細胞は加齢とともにNAD不足という事態になりやすく、β細胞の場合は耐糖能異常をひきおこし神経細胞では認知機能や感覚機能の低下の原因になり、他の臓器に波及してゆくことになります。
 ナイアシン欠乏症であるペラグラは、皮膚炎、下痢と認知症が主症状です。

細胞老化とP53
 “ゲノムの守護神”と称されているP53は、ガン抑制遺伝子からつくられるタンパク質です。
 最近になってP53の新たな機能が次つぎと明らかになってきましたが、そのなかに意外な発見がありました。
 酸化ストレスなどによっておこる細胞老化にP53による老化シグナルがあらわれているというのです。
 細胞老化は、不可逆的に増殖を停止した状態で、正常な体細胞に訪れる寿命(ヘイフリックの限界)と考えられていたのですが、やがてゲノムに異常が生じたとき細胞老化と同様な状態になることがわかりました。
 最近になり老化した細胞ではP53の活性が高いことが臓器レベルで見出されたのです。

いろいろある老化仮説


通常老化・健全老化
 老化を生理的老化と病的老化に分類する考え方があります。そして生理的老化に通常老化と健全老化があるとしています。
 通常老化(usual aging)では、心・肺・腎・筋肉などの機能が若年期より低下しているものの日常生活動作での自立度は維持されています。リスク因子をコントロールして 疾患発症を抑えて、精神活動・身体活動が維持されていることや、人間関係が保たれ社会性や創造性のある生活を営んでいるなどが健全老化 (successful aging)だというのです。
 白髪やシワや体型などの目に見える症状ばかりでなく、血管や骨格や感覚器などの変化が、転倒しやすい、感染しやすいといった高齢者の弱点を生み出しています。
 高齢者には加齢とともにおこってくる脆弱性という基盤があるとし、生活環境や活動の質などをあわせて包括的なとらえ方をすることで、ひとりひとりの健全老化への処方箋が得られることになります。それが老年症候群という見方です。

細胞老化と個体老化
 からだの各組織・器官は、固有の細胞およびその生産物でできています。
 細胞老化は、臓器における細胞数減少を招き機能を低下させることになるでしょう。

 細胞老化は内因性にも外因性にもおこります。内因性の細胞老化は“テロメア依存型”ともいわれます。
 “テロメア非依存型”が外因性細胞老化で、DNA損傷や酸化ストレスなどで誘導されるのでストレス老化ともよばれています。
 細胞老化の研究中に、ガン遺伝子もまた細胞老化の外因であることがわかりました。そこでガン遺伝子による老化誘導は生体のガン化抑制機構と考えられまし た。その後の研究で、正常細胞でガン遺伝子による細胞老化のメカニズムがはたらくと良性腫瘍となり、さらに別の遺伝子変異が重なると老化せずに悪性腫瘍へ すすむと説明されています。
 そしてP53のようなガン抑制遺伝子を不活化すると、細胞老化が抑制されることがたしかめられました。
 ガン抑制遺伝子は、細胞周期停止のタイミングを決める役割をしているタンパク質(CDK)に作用します。CDK(サイクリン依存性キナーゼ)は、タンパク質にリン酸基をつけて性質を変化させる酵素作用をもっています。
 老化した細胞ではCDKの活性が低下しています。そしてCDKの活性を阻害するタンパク質が増えていました。このCDK阻害因子の遺伝子を活性化するのがガン抑制遺伝子P53でした。
 酸化ストレスやDNA傷害などのストレスが加えられたとき、細胞はいったん細胞周期を停止し、修復作業をしたのち再び細胞周期を開始します。
 P53による細胞応答をひきおこす生体ストレスには、ウイルス感染、サイトカイン刺激、代謝の変化、栄養条件の悪化などがあり、細胞内では糖代謝やエネルギー代謝、オートファジーなど広範囲なタンパク質相互作用を介して細胞老化やアポトーシスにまでかかわっています。

テロメア依存型細胞老化

 テロメアは染色体の両方の端がむき出しにならないように守る構造として発見されました。この部分はTTAGGGという塩基配列の繰り返しでできていて、 細胞分裂のたびに短くなることがわかったのです。染色体を複製するとき一方の端では8~12塩基ほどの部分が複製できないのです。このテロメアの短縮によ りヘイフリックの限界が生じるということになりました。
 テロメアの短縮が細胞分裂の決め手になるわけです。

酸素ラジカルとミトコンドリア
 酸素を利用するエネルギー産生小器官のミトコンドリアは、活性酸素による傷害に絶えずさらされています。ミトコンドリアは核に属さないDNAをもってい ますが、核DNAにくらべて10倍以上酸化による傷害を受けています。構造成分の脂質が過酸化され、エネルギー産生能力が低下します。老化細胞では異常ミ トコンドリアの数が増えています。
 ミトコンドリアには活性酸素除去酵素MnSODがあります。動物実験でMnSODをもたない個体をつくると、ミトコンドリアDNAに変異が蓄積して、白髪・脱毛・骨粗鬆症・臓器萎縮などの老化の症状がみられたというのです。
 高齢者の骨格筋で調べたところ、核DNAの酸化傷害マーカー(8-OHdG)が増加し、ミトコンドリアDNA量とATP産生量が低下していたと報告されています。

慢性炎症と老化
 加齢とともに発症しやすくなるガンや心疾患や神経変性などに共通して慢性的な炎症があるといわれるようになりました。
 病原体感染によらない炎症の原因のひとつが細胞老化とされています。
 実さいに前ガン病変や動脈硬化の部位では、老化細胞が多く、これが炎症性サイトカインを持続的に放出し、それがさらに細胞老化の促進因子になるというのです。
 生体は数多くの要素で成りたっている複雑なシステムであり、老化の決定因子はひとつではありません。これからも新たな老化仮説が登場することでしょう。
 細胞から組織・器官、そして個体へとつながっている生命現象の謎は、まだ解けていません。

メグビーインフォメーションVol.381「老年症候群」より


www.megv.co.jp/メグビーさんちから転載しました。
メグビーは分子栄養学に基づく栄養補完食品を製造販売する唯一の会社です。


*「健康自主管理」に最適な「分子栄養学(三石理論)」で、タマいちも愛用しています。

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