人生は死ぬまでの暇つぶし  自然にその日を迎えるまで、サバイバル(健康・経済・社会情勢・天変地異・・・)  真実、真相、本質、一を知りたい

★分子栄養学(三石理論):骨格筋の機能と代謝

最大の臓器
 骨と骨とを連結し、収縮によって骨格に動きを生じさせる骨格筋は、ヒト(男性の場合)では体重の約40%を占めており、生体内最大の臓器といわれています。
 からだを構成する組織としての“筋肉”には骨格筋のほかに心筋と平滑筋があります。
 心臓の拍動を担う心筋や消化管・血管などにある平滑筋は、自分の意志で動かすことができない不随意筋ですが、骨格筋は随意筋というちがいがあります。

 最近、骨格筋に新たな役割のあることが知られてきて、注目されるようになりました。
 骨格筋は、血中ブドウ糖のとりこみによって血糖値を調節したり、マイオカインとよばれる多様な生理活性物質を分泌して、いろいろな臓器にメッセージを送ったりして、全身の代謝に連関しているというのです。
 運動の健康効果や、サルコペニア(加齢性の筋萎縮)やカヘキシア(ガンなどの疾病にともなう筋量の低下)の発症メカニズムが、骨格筋の構造・代謝の変化とかかわっています。

骨格筋の特徴
 骨格筋細胞は筋線維とよばれるように、線維状の長い細胞で、多数の核をもつ特別なつくりになっています。細胞膜の外側は基底膜におおわれていて、両方の膜の間にサテライト細胞がはいりこんでいます(下図参照)。

 サテライト(筋衛星)細胞は、骨格筋細胞の幹細胞で、ふだんは休止の状態であり、周囲の筋細胞が傷害を受けると活性化し、自己複製して筋芽細胞となって障害部位にゆき、融合して多核細胞へと変身し修復します。
 筋肉運動にともなってエネルギーづくりなどの代謝が活発になります。そしてミトコンドリアでは活性酸素の産生が増えるのですが、これが細胞内に蓄積する 異常タンパク質の処理機構であるオートファジー(自食作用)を促して、老化したミトコンドリアの排除と新生に役立つと考えられています。
 コレステロール合成を阻害するスタチン製剤は、オートファジー異常をひきおこすことが知られていますが、ミトコンドリアの新旧交代が不調になるため、副作用である筋毒性を出現させることになります。
 マイオカインの作用は、ガンや神経変性などの疾患にもかかわりがあり注目されています。

赤筋・白筋とミトコンドリア
 骨格筋には速筋細胞と遅筋細胞があります。遅筋細胞は赤筋ともいわれ、ミオグロビンを多く含むので赤くみえます。
 ミオグロビンは酸素運搬体ヘモグロビンのなヘムをもつタンパク質です。
 ミオグロビンの量はエネルギー産生小器官ミトコンドリアの量に比例しています。
 速筋と遅筋の区別は、収縮の速度のちがいであり、速度は強度に対応しています。速筋は太い神経線維に支配され、大きな力仕事をするのに対し、遅筋は細い 神経線維の分布により、軽い仕事を制御しながら継続してすることができます。速筋の活動では、解糖系によりエネルギーを得るため、乳酸が蓄積し、代謝性疲 労を生じることがありますが、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化経路が主になる遅筋では乳酸の生成がありません。
 筋肉の収縮は、サルコメアという単位構造が多数くり返されてできている筋原線維の仕事です。筋原線維を束ねて筋鞘で包んだものが筋細胞(筋線維)で、神経細胞が筋組織のなかにはいりこむような形で支配しています。
 筋原線維の内部はアクチンとミオシンの2種類のタンパク質のフィラメントが交互に配列した構造になっています。これが収縮単位のサルコメアです。ミオシンフィラメントの間にアクチンフィラメントが滑りこむ形で収縮がおこります。

筋収縮と糖のとりこみ
 アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの滑りこみ運動は、ATPの加水分解でおこります。
 ATPの分解はミオシン分子の酵素作用で生ミオシンATPアーゼ”とよばれています。ATPの分解で生じた化学エネルギーを力学的エネルギーに変換しているのです。
 筋細胞はグルコースをとりこんでグリコーゲンの形で蓄えていますが、その量は軽い運動でも1~2時間ほどで使いきってしまう程度です。
 膵ホルモンのインシュリンは、食事ではいってきたグルコースを筋細胞にとりこませ、グリコーゲンの合成をすすめます。
 筋細胞は特別な糖輸送体タイプ4(GLUT4)を備えていて、インシュリン作用や筋収縮による糖とりこみを受けもっています。
 インシュリンが筋細胞上の受容体に結合すると、糖輸送タンパク質が呼び出されて膜へ移行します。
 筋収縮はインシュリン非依存性にも糖のとりこみをすすめて血糖値を下げることが知られており“インシュリン効果”といわれています。
 成人型(Ⅱ型)糖尿病では、インシュリンの指令に対しての感受性が低下しているので、筋の収縮活動による糖のとりこみは、血糖のホメオスタシスに役立つことになります。
 骨格筋は、食後などで生じてくる血糖の余剰を解消させているわけですが、血糖が不足する状態になったときは、肝臓と協働して糖新生により補充する調整役になっています。
 肝臓もグリコーゲンを貯蔵しており、これを分解して血中へ出しますが、その貯蔵量に限界があるので、糖新生システムによりグルコースを合成します。その原料として筋タンパク質の分解で生じるアミノ酸が利用されるのです。

サルコメアのしくみ
 骨格筋細胞は細胞膜のところどころに内部へはいりこむ管状の構造(横行小管)をもっています。横行小管は筋小胞体という膜構造と接しています(下図参照)。

 筋小胞体の内腔にはカルシウムイオン(Ca2+)を蓄えており、ニューロンに生じた活動電位が横行小管に沿って内部にはいりこんでくると、筋小胞体の膜 にカルシウムイオンを通過させるチャネルが開いて外へ放出させます。このカルシウムイオンがサルコメアの静止状態解除して滑りこみをはじめさせます。
 骨格筋は随意筋であり、意志によって動かすことができます。そのしくみはアクチンフィラメントに結合したトロポミオシンとトロポニンという2種類の調節タンパクによる抑制と解除でおこります。
 身体活動をおこそうとする意志が、運動神経により電気信号としてとどくと、調節タンパクがはなれて、2種類のフィラメントは長さを変えることなく両方の間を滑ります。
 アクチンとミオシンの滑りこみに必要なエネルギーは、前記のようにミオシン分子がATPを分解して供給します。小胞体から出てきたカルシウムイオンが、アクチンフィラメント上のトロポニンに結合すると、トロポミオシンが移動し、ミオシンがはたらきはじめます。
 悪い姿勢をつづけたり、無理な動作をしたりして、筋線維が微小な損傷を受けると、小胞体がこわれて蓄えられていたカルシウムイオンが放出され、これがつ づくとアクチンとミオシンが滑りこんだままゆるまない筋拘縮の状態になってしまいます。血流がさまたげられてエネルギー不足となり、筋性疼痛をひきおこし ます。

体温・姿勢の保持
 ミオシンの仕事は、筋肉が弛緩しているときにもゆくりとつづけられています。周囲のATP分子をとりこんでADPとP(リン酸)に分解した化学エネルギーを熱にして出します。この熱は、体温を維持することに役立ち、からだから外へ放散している熱を補っています。
 からだには、重力に抵抗して姿勢を保たせるようにはたらく抗重力筋があります。抗重力筋は脊髄にある神経回路で無意識にコントロールされる伸長反射により収縮しています。

筋線維変化と栄養対策


筋廃用による変化
 無重力空間に滞在した宇宙飛行士は、地上に帰還した直後には自力で歩行できないことが知られています。
 病気や外傷の回復時にベッド安静をつづけると、骨格筋の量や筋力の低下が生じ、廃用性筋萎縮とよばれる状態になります。
 筋廃用の期間には、1日当り骨格筋は約0.5%減少し、1週間では1kg以上にもなることが、ボランティアを対象にした実験で示されました。
 片足を伸ばした状態で50kgの重量をもち上げることができる人が、2週間のベッド安静あるいは下肢固定で、40kgしか持ち上げることができなくなりました。これは身体活動量の多くない高齢者では、補助なしに椅子から立ち上がれなくなりかねない状態だというのです。
 ベッド安静時の筋肉減少はとくに下肢と腰背部の筋肉群に顕著であり、下肢のなかでも起立筋といわれるヒラメ筋や腓腹筋が急速に萎縮してゆきます。
 通常、骨格筋タンパク質は1日におよそ1~2%の速度で入れかわるとされています。24時間で300~600gの筋タンパク質が分解・再合成されつつ、3~4ヶ月で全身の骨格筋タンパクが交代(代謝回転)しています。
 廃用性筋萎縮では、この分解と合成のバランスが失われていることになるでしょう。

筋線維の代謝変化
 筋萎縮をおこす要因には廃用性のほか、ガンや慢性疾患にともなう食欲不振や代謝の調節障害でおこるカヘキシア(悪液質)や、ALS(筋萎縮性側索硬化 症)、クローン病などいろいろありますが、それぞれによって筋線維の数と断面積の減少ばかりでなく、速筋か遅筋かのタイプの割合が変化することがわかりま した。

 ALSや加齢性の筋萎縮(サルコペニア)やカロリー制限やⅠ型糖尿病では遅筋線維の割合が増加し、廃用性筋萎縮や運動神経の損傷、ガンによるカヘキシア、Ⅱ型糖尿病、無重力状態などでは速筋線維の割合が多くなると報告されています。
 疾患ばかりではなく、代謝の変換による筋線維の構成変化は生涯を通しておこっています(右図)。運動トレーニングはもちろん、生活習慣やストレスなどの環境因子が、筋線維を変化させ、高齢者では寝た切りという状態につながってゆきます。

サルコペニアの問題
 加齢により筋肉(sarco)が減少(penia)することをあらわす語“サルコペニア”は1989年に提唱され、日本語では“加齢性筋肉減少症”と訳されました。
 サルコペニアは、高齢者のふらつきや転倒の原因になり、介護予防の点から認知症とともに重要性への認識が高まっています。
 筋肉の減少にともなって脂肪や細胞間質が増加し、組織に慢性炎症が生じてきます。運動ニューロンとそれに支配される筋線維をまとめて運動単位といいます が、これも加齢とともに減ってきます。前述のサテライト細胞の筋芽細胞への分化は抑制されており、起炎性サイトカインは増加といったさまざまな条件が重 なっているのです。
 骨格筋は収縮活動によって損傷と修復をつねに繰り返しています。そのプロセスでいろいろのタンパク質やペプチドを分泌していることがわかり総称して“マイオカイン”とよばれています(前述)。その研究はこれからですが、サルコペニアとのかかわりに関心がもたれています。

筋萎縮とタンパク質栄養
 廃用性筋萎縮やサルコペニアをテーマにした介入試験が行われ、摂取エネルギーが不足すると筋タンパク質の基礎合成率が約20%減少すると報告されました。
 とくにタンパク質の摂取量低下が、サルコペニアの要因として指摘されたのです。
 1日のタンパク質摂取量が、体重1kgあたり0.8gより少なくなると、筋量維持が困難になるというのです。とくに高齢の場合、摂取エネルギー量が減少するケースが少なくありません。その状況ではとくにタンパク質摂取量に配慮すべきと警告されています。
 さらに筋肉におけるタンパク質合成には、不可欠(必須)アミノ酸の役割が大きいことが知られています。構成アミノ酸でのその割合は30%~40%になります。
 不可欠アミノ酸のなかで分枝鎖アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン)は筋組織のエネルギー源にもなり、さらにロイシンは筋タンパク質合成をすすめる機能をもっています。
 高齢者では、ロイシンが低濃度ではタンパク質同化への刺激が弱い(同化抵抗性)という感受性の低下があります。その理由としてタンパク質の消化・吸収や食後のホルモン応答、筋組織のアミノ酸とりこみ、筋細胞内のシグナル伝達などが挙げられています。
 一方で、食前の身体活動により食後のタンパク質合成が促がされて、同化抵抗性が補われるとされています。サルコペニアへの対策として日常生活での身体活動量の維持が大切というわけです。不可欠アミノ酸の割合を多くしたエネルギーレベルの確保も必要条件になります。

ロコモティブシンドローム
 サルコペニアや骨粗鬆症は、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)のリスク因子であり、家事・外出などの日常生活動作を困難にして自立性を失わせる要因になります。
 最近の疫学研究によって、ビタミンDの血中濃度とサルコペニアの関連が明らかになってきました。65歳以上の高齢者1000人以上を対象に、身体活動度 や慢性疾患の有無、BMI、喫煙などの項目で補正して得られたデータではビタミンD低値の場合、3年後のサルコペニアのリスクが高くなりました。ビタミン Dは骨や骨格筋ばかりでなく、核内受容体を介して神経系にもはたらきかけているのです。

メグビーインフォメーションVol.380「骨格筋新情報」より


www.megv.co.jp/メグビーさんちから転載しました。
メグビーは分子栄養学に基づく栄養補完食品を製造販売する唯一の会社です。


*「健康自主管理」に最適な「分子栄養学(三石理論)」で、タマいちも愛用しています。

■健康相談
専門カウンセラーがあなたの健康管理のお手伝いをします。
健康相談はこちら

■メールでのお問い合わせ
お問い合わせはこちら



関連記事
プロフィール

タマいち

Author:タマいち

こんにちは ♪
漢方と生薬の匂いが大好き ♪
花の七十代♂、サバイバル中心です♪

サバイバルに必要な情報の収納庫!
転載はご自由に ご勝手にどうぞ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
ブロとも一覧

熊本!365歩の街(マーチ)!!

独りファシズム Ver.0.3

だいだいこんの日常~抗がん剤は毒ガスなので保険適用をやめましょう~

アギタの神が住む鎮守の森

やっぱり、毎日がけっぷち

建築とかあれこれ 呪いもあれこれ 

石橋を叩いて割れ!

さんたブロ~グ

マトリックス脱出

シドニーおちんの、これが今の精いっぱい

シドニーおちんのこれが今の精いっぱい2

何てことはない日々
検索フォーム
リンク
飯山です